2016年10月26日

部長がミュージック・ソムリエ・ドットコムというキュレーションなサイトを作っちゃったみたい

とっても久しぶりに(元)部長の事務所に行ってみる。ビル街を通り抜けて、小川のような堀のような遊歩道のようなところを抜けて、ちょっと日陰になったところの小さいビルの一階で特に看板は出ていない。

表からも中が見えるつくりではない。果たしているのかしら?



「あ、あれ!久しぶりだね」

良かった、彼は元気そう。会社を辞めてから手がけていた絵の販売はだいぶ一段落ついたそうだ。2016年にもなると去年おととしの外国人の狂乱買いも終わって、落ち着いているそう。彼の売った絵はお土産として喜ばれていたらしい。

「そうだ、部長、あの約束守ってないじゃないですか」

「え、あ、ああー。そうそう。何か特別な行事やイベントのときに聞くべき音楽を紹介するホームページだよね」

「そうよ、ロック小僧のためのロック再入門なんてブログまで開設したじゃない。そのあと『こんなときにはこの曲を』ってブログ名を変えて」

「ああ、そうそう。運動会でかける曲とか、寝るときに聴く曲とか紹介してたんだけど、去年10月から記事更新していなかったんだ」

「だから約束守ってなかったっていうことなのよ。気分や季節、テーマにあった曲をまとめるブログなら継続してできると言っていたじゃない。楽しみにしていたのに」

私はちょっときつい目で彼の顔を見つめてみた。楽しみにしていたのは事実だ。怠け者だからじゃない。他のリスナーが曲を感じる感覚。それを自分の感覚と比べてみたりするとその音楽の美しさや物悲しさが、いろんな角度や異なる深さから見つめることができるからだ。

それは巨大な構築物であるビルを遠くから眺めることもあればエレベーターに乗って屋上に上がることも、中の店舗で食事を楽しむこともできるかのように、音楽という構築物はいろいろなところに入って楽しめるものなのだから。

すると彼は、ふふふ、と笑った。いたずらを仕掛けているような子どもっぽい笑顔だ。

「実は」

「実は?」

「ブログだと一つの記事でせいぜいアルバム数枚しか紹介できないので、もっとすごい体系的なものを作っていたんだ」

「えええ?」私は驚いた。てっきり爆買い外国人に絵を売るので消耗しきっていてブログ更新をサボっていただけと思ったのに何か違うことをしていたというの?

「実は、リスナーの気持ちや感情を入力すると、それに合った曲を探してお勧めしてくれるサイトがあったらいいなと思って」

「ああ、そうね。『楽しい』とか『悲しい』とか入力すればそれに合う曲名を教えてくれたら助かる」

「それだよ。それ。実はもう作っていて、昨日できたんだんだ。ほら、これ」

「えええええ?」

「ここにほら、入力すると・・・」彼はキーボードを叩いた。「楽しい」と入力する。

「本当だ。うわあ、これ本当に『楽しい』っていう気持ちに合う曲ね」

「そうだろう、そうだろう」

「名前はなんていうの・・・ミュージック・ソムリエ。なんかどこかで聞いた事があるような」

<ミュージック・ソムリエ>
logo.jpgミュージックソムリエ

http://www.music-sommelier.com/
※このレコード盤が目印です。

部長は頭をかいた。

「ああー、いやあーまあね。ずっと良い曲を音楽好きに紹介できるサイトを作りたいという思いが募っていたから、まあ、名称はそのねえ」

私は彼を無視して、もっと入力してみる。よし、「秋に聴きたい曲」。あれ、一日三曲だけ?

「まあ、そうなんだよね。良い曲はじっくりと。店舗やネットで探してちゃんと聴いて欲しいというのがあるし」

「じゃあ、部長はこれからは」

「そう、これからはこれをどんどん更新していくよ。何年もね。やっとやりたかったことに本当に取り組める気がする」

部長はまた子供のような笑顔に戻った。グーグルのような大資本が来たらコロリとやられてしまいそうな朴訥としたサイトではあるけれど、なにやらこれからまだ面白くしていくらしい。

私は彼の事務所を出ると、なぜか足取りが軽くなった。

「毎日三曲か。なんか私の音楽への思いも少しだけ毎日変わるのかな。何か部長らしくていいわ」

暑かったり寒かったり全くでたらめの天気で、紅葉もまばらだけど、秋のまだ暖かな日差しが木々の枝葉の隙間から漏れて私の背中を照らしてくれていた。




posted by ロック小僧 at 20:43| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年04月01日

部長がロックに再入門しちゃったみたい

みんな、すごい久しぶり。

元気にしてた?



今日、例の、会社を辞めて何だか知らないけど独立するんだ、ウォーって言っていなくなっちゃった部長の様子を見てきたわ。

なんだか、マンションの一室で、絵を売りながら、多分ネットで売ってるのね、机の上にはCDとか音楽評論の本がごちゃっとあって・・・

え?それがジャズじゃなかったの。ロックだった・・・

ロックに再入門したんだって。あーあ。アートとロックってそんなに相性良かったかな?

部長がそれでロックのブログを書くんだって、また書き始めたみたい。良かったら、ぜひ読んであげてね。
『ロック小僧のためのロック再入門』
http://entertheworldofrock.seesaa.net/

内容はって?多分、普通のロックのアルバムは紹介しないんじゃないかな。現役時代聞き漏らしたものを集中して聴いているとか言っていたから。あんまりマニアックじゃないといいんだけど。

え、こっちのジャズ入門のブログはどうなってるって?部長が私に任せたっ、あのとき譲ったって言うんだけど。ちょっと私はまだ書きたい気持ちになれないみたい。部長みたいにスパっと頭を切り替えてどおおおっと突撃することができる人種だったら、どんなに生きるのラクかな、なんても思う。だから、こっちはまだしばらくお休み。

ぜひ部長のほうを覗いてあげてね。

−−−−−−−−−−−−−
というわけで応援お願い。
『ロック小僧のためのロック再入門』
http://entertheworldofrock.seesaa.net/

彼はなんだか今日は
Blues Breakers with Eric Clapton
を聴いてたみたい。


posted by ロック小僧 at 22:11| Comment(1) | TrackBack(0) | ジャズ名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月21日

しばらくのお別れ[Speak like a child]【みんなの中の新しい生命の誕生を祝う一枚】

夏からもうずいぶん経った。私がイタリアに行っている間に部長には何かあったらしく、その後、数回彼の書いた文書をブログに代行でアップした。

そこで時間が止まっていた。



夏の間に何があったのか、気になったから8月の終わりのある日、部長に聞いてみたの。それも、何か会社の中では言いたくなさそうだったから、わざわざジャズ喫茶を探して。

ジャズ喫茶なんて、今の時代、もう絶滅しているから探すの大変だったわ。ジャズを流すデパート売り場はいくらでもあるのに、変な世の中になったものね。

それはそうと、部長は最初うつむいていたけど、未練がましくもなく、さっぱりした顔で、会社をやめるんだっていうのよ。

え!っと思ったわ。だって、法務部兼セクハラ担当班を無事勤め上げたら、彼も役員の一人になるって社長に言われてたのよ。社員のままだから執行役員って言うやつかしら。

それで聞いたみたのよ。どうしてそうなったのかを。

そしたら、ただ、何か違うことをしたいんだって。

何をするのって聞いたら、

そうだなあ、とりあえず、フランスのボルドーに行ってマラソンでもしてくるか・・・それからパキスタンのフンザっていうところに行って、桃源郷でも見てくるか・・・

なんて非現実的なことを言うのよ。

非現実的だけど・・・でも人生の中ではそんな時間があってもいいのかも。

で、それって、何をするかまだ決まってないってことって聞いたの。

そうしたら、まあ、いいじゃないか、全部決まって無くても。

まだまだ人生長いんだから。

なんて、達観したみたいなことを言って・・・

そのときハッと店に流れている音楽に気づいたの。ハービーハンコックのスピーク・ライク・ア・チャイルドだわね。

Speak like a child. Harbie Hancock. Blue Note. 1968.

Speak Like a Child
Speak Like a Child

そういえば、子供のときは、夏休みの宿題はあるけど、どう人生生きるべきだとか、どっちの方向に行かなきゃいけないとか、そういうことは何もなかったわね。

そう・・・

じゃ、部長、ブログはどうするのって聞いたら、そうだね、ちょっとお休みをして、元気が出て、新しいことが形になったら、また書いていきたいって。

だからしばらくの間お別れね。私が書いてもいいって部長は言ってたけど、これは部長のブログだもの。

だからみんなで部長の新しい旅立ちをお祝いしてほしい。今どこにいるか分からないけどきっと戻ってくる。

別れはさようならではなくて、新しい生命が生まれてきたお祝いなの。

みんな、だからまた会える日までしばらく待っていてね。

え?私?そうね、ジャズにまた戻ってくることも出来たし、NYでティーンのときに辞めてしまっていた画でもまた描いてみようかな。

あれからずいぶん時間が経っちゃった。もうクリスマス。

本当にみんな、メリークリスマス。みんなで自分の中の新しい生命の誕生をお祝いする日。

じゃあ、またみんなで街のどこかで会いましょう!


−−−−−−−−−−−−−−−−−
*しばらくのお別れです。みなさん、またお会いしましょう!




posted by ロック小僧 at 17:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年09月05日

ジャズ名盤20(1950-1969)第三回発表ベスト7[Quiet Kenny]【実は情熱的で軽やかな一枚】

[女王の教室の独り言]
今週も部長の様子があやしい。やはりなにかある。どうも何か思いつめているようだ。私たちの部署はセクハラ対策班でもあるから、いろいろ従業員の心の動きをつかんで適宜話を聞いてあげるのは得意だけど、部長は何で悩んでいるのだろう?

じーと見つめていると急に彼が立ち上がった。



部:あ、ごめん、また原稿書いたから、アップしてくれる。
女:え、ええ、いいけど・・・
部:じゃ、よろしく。

彼はそういうと部屋を出て廊下に消えてしまった。今度こそはっきりと聞かなきゃ。

ということでこれはまた部長からもらった原稿よ!

Quiet Kenny. Kenny Dorham. 1959. Prestige.
Quiet Kenny (Reis)
Quiet Kenny (Reis)

これはスイングジャーナル誌のベスト盤にも選ばれている一枚で、ジャケットのイメージとタイトルからか、物静かな曲をやるアルバムかと思いきや、全然違っていた。むしろ前紹介した、The Art of Balladsのほうが静かな曲が好きな人には向いている。

このアルバムはポールチャンバースのベースやトミーフラナガンのピアノが実に生き生きとケニーをサポートしていて、とても軽快で明るい。

一曲目のLotus blossomのオープニングのベースがなにやらテクノみたいなむよっむよっと面白いが、そこからの切れのいいリズム、アドリブへの突撃、とても静かなケニーという感じではない。炎のケニーだ。

一転して二曲目My idealの穏やかなメロディーはもう何十回でも安心して聞ける。これだけリピートして日曜の午後を部屋で過ごすのもいいかもしれない。

三曲目のBlue Fridayや五曲目のBlue spring shuffleはかなり黒っぽい。こういうブルース調も彼にぴたりとはまっている。

六曲目I had the creaziest dreamや最後の八曲目Mack the knifeは軽快だ。はねるような全体の雰囲気がまるで雨が上がった後の公園をぴっちぴっちちゃぷちゃぷらんらんするような感じだ。

全体に何でも出来て、同じような曲調が二曲ずつ入っていて、バランスがいい。ケニーは何でも出来るオールマイティーなプレイヤーであるというだけでなく、どの曲もケニーらしさがあるし、何よりトランペットを吹ききっている快感がある。

マイルスを聞くとなんか不完全燃焼感がある人にとっては、こちらから聴き始めたほうがいいかもしれない一枚。

[女王の独り言]
ふう、打ち終わったわ!今日もちゃんと書けているじゃない?おかしいわね、ブログがかけなくて悩んでいるんじゃなさそうね。来週こそ彼に何を悩んでいるかちょっと聞いてこなくちゃ。



posted by ロック小僧 at 22:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月29日

ジャズ名盤20(1950-1970)第三回発表ベスト6[Tal] 【重厚な疾走感に圧倒される一枚】

【女王の教室の独り言】

どうも部長が変だ。私がイタリアから戻ってきて、「ブオンジョルノ!」と明るく挨拶をしても、ああ、お帰りくらいしか言わずそっけない。

先週は予定通りブログを出したようだが、今週は出していないようだ。元気がない。



夏ばてなのかも。お盆の当番で会社に残っていたことに怒っているのかも。まあ、いいわ。部下はいちいちそんなことまで勘ぐっていられないから、いつものように接するだけね。

女:今週はブログがまた遅れているようですよ(少し優し目に)。

部:うん、そうだね、申し訳ない。

女:・・・(何かおかしい、何かあったんだわ。いつもの言い訳がない・・・)

部:そうだ、原稿出来ているから週末時間があったらアップしてくれないか。

女:え、いいけど(これはおかしいわ。前は絶対自分でやると言っていたのに)。まあ、いいわ、じゃあ、もらった原稿を張るわね!

たぶん部長は夏ばてよ、気にしない気にしない。

Tal. Tal Farlow. 1956. Verve.

タル
タル


【ここから部長の原稿】
ということで、これはジャズギターを目指す人なら誰でも聴いてほしい一枚だな。うん、ウェスモンゴメリーでもない、ジョーパスでもない、グラントグリーンでもない。本当にすごい。

なんでもタルは元々塗装屋さんで、40年後半50年前半に積極的に活動したけど、はやばやと隠退してしまって、また元の塗装やさんになってしばらく隠居していたらしい。

それでもチャーリーパーカーのステージを何度も見て彼に影響を受けたり、50年代はチャールス・ミンガスとグループを組んだりして、大物との接触も十分なんだけど。

彼はソロプレイに特徴があって、まるで一本の金管楽器が鳴っているような感じ。この辺はチャーリー・パーカーの迫力をギターで出そうと思ってのプレイなのかもしれない。とはいえ、彼は手が大きく、タコと呼ばれていたそうで、メロディーラインが金管楽器を真似しているというわけではない。ギターのラインでもない。独特だ。

音の迫力として金管楽器のような感じなのだ。

バックのほうもそれにあわせてスリリングで、三曲目のHow about youのピアノソロ、ベースソロなど彼に引っ張られて息を呑むようなプレイになっている。

五曲目Yesterdaysもベースがもくもくと刻んで早いテンポでスリリングだ。全体にバックとの融合がうまくいっていて、一丸になって飛ばす感じでボクシングをやっているような、ロックやっているようなとも言えそう。

最後のBroadwayはそのタイトルから想像できるような明るさがあるけど、リズムの独特のはね方やその後のソロへの突撃などやはりすごい独特。

全体に独特の不思議なジャズっぽくない攻撃的な感じが響き渡り、他のメジャープレイヤーに慣れた耳にとってはとっても斬新に聞こえるかも。

【また女王の独り言】
カタカタカタ・・・ふう、打ち終わったわ。

なんだ、ちゃんと書けているじゃない?

もっと早く出せばいいのに?

やっぱり何か変ね、来週会うときはちょっと部長に何かあったのか聞いてみようかしら?

来週は私が変わって書いてあげたほうがいいかもね?

ーーーーーーーーーーーーーーー
というわけで来週は部長に何があったか、聞いてみるわね!


posted by ロック小僧 at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月18日

ジャズ名盤20(1950-1970)第三回発表ベスト5[Time Out]【リズムにこだわった変拍子が満載の一枚】

今年も8月15日が過ぎた。どの政治家が自国を敬わないかが如実に分かってしまう悲しい日だ。

それはさておき、女王様は先週「アリルベデルチ、チャオ!」とか言って、どこかに夏休みにでかけてしまった。今は職場の部屋に誰もいない。もともと「法務部兼セクハラ対策班」という少人数の部署だから、にぎやかというわけでもないが、誰もいないとさすがに静かだ。



何かで読んだが、アメリカのエグゼクティブはせいぜい年に四、五日しか休まないらしい。それに対して部下は年休をがっちり使うだけでなく、病欠まで目いっぱい使うらしい。

日本はそこまでは行っていないようにも思うが、しかし、部屋に私一人しかいないから、気分転換にPCのスピーカーで大きくなるだけ大きい音でこのCDをかけてみる。廊下に漏れなきゃサボってるようには聞こえないだろう。というか今日は社内に誰もいない。

Time Out. The Dave Brubeck Quartet. Columbia. 1959.
Time Out
Time Out

うーん、たぶん好き嫌いが分かれるようにも思うんだけど、あまりリズムにうるさくない人はそのまますーと入っていくようなところがあるなあ。

英語のライナーを読むと、ディジー・ガレスピーとか、チャーリー・パーカーとかマイルスの初期の作品とかやはり、リズム的にはジャズのルーツであった軍のマーチから抜け切れなくて、いちに!いちに!という感じなのらしい。

マックスローチ辺りが三拍子のワルツに取り組んだそうだけど、それでもまだ保守的だったそうだ。

そこにデイヴ・ブルーベックのこのアルバムがさっそうと現れ、リズム革命を起こしたそうな。

そう言われると、一曲目Blue Rondo A La Turkの変拍子で前のめりになって倒れそうになる。気にし始めると気になる。そういう意味では超有名な三曲目Take Fiveは実は五拍子だったというのに今頃気が付いた。Time Outというタイトルもリズムからずれているという意味なのだろう。

この気にしはじめると気になるけど、そうでなければ気にならないというのはメロディーの美しさのなせる業だろう。二曲目Strange Meadow Larkの美しいピアノ、アルトサックスの軽やかなワルツの四曲目Three to Get Readyもいい。

変な話、全曲いい。セロニアスモンクやハーヴィーハンコックも変拍子に挑戦した曲は多いが、デイヴほど軽やかに美しく流していく奴はいない。

ただ、前回のLi'l Abnerと一緒で、白人ミュージシャンの緻密さが見える。ベース以外は白人で固めたユニットだ。この辺がおどろおどろしい混沌とした黒人ジャズとは一線を画している。

とはいえ、これまで紹介しなかったのがおかしいほど文句なしに聞き逃してはいけない一枚。

****************
以前、香港のスパゲッティハウスというイタリア料理店に入ると壁紙にユーモアたっぷりな会話が張り紙で書かれていましたが、そこにブルーベックの名前が出ていました。ジャズといえばブルーベックという何かの図式があるんでしょうか?

少しブログの見た目を整理しました。ご覧になってみてください。



posted by ロック小僧 at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月11日

ジャズ名盤20(1950-1970)第三回発表ベスト4[Li'l Abner]【ツクール的かちっとした教科書のような一枚】

部:・・・ということで、今週は二回発行しますので遅れていたことをお許しください。

女:なんだか、「ということで」の前の説明が抜けてるわよ。

部:うん、七月からブログが全然更新できなかったことへの反省をこめて・・・

女:で、部屋の整理はついたの?

部:それが7割ってところで・・・でも今日のは予定どおりあらかじめ考えていたものなんだ。

Li'l Abner. Shelly Manne & his Friends. 1957. Contemporary.
Lil Abner
Lil Abner

女:ああーこれは聞きやすいわよね。

部:そうだね、ジャズを作ってみよう!見たいな感じだね。TVゲームで昔RPGツクールってのがあったけど、あんな感じかな。



女:ジャズツクールって感じ?確かに教科書的で人工的だといえばそれでおしまいだけど。

部:これの前のマイフェアレディもブロードウェイでやった音楽のスコアをもとにジャズに編曲しなおして作り上げたんだよね。今回もおんなじ手法でプロードウェイで上演されたものを直しているんだけど。

女:Li'l Abnerってところで何なの?前から気になってたんだけど。

部:こんなアニメのキャラだね。見たことあるようなないような。

女:うーん、そうね、新聞か何かの風刺画だったかも。

部:このブロードウェイで上演されたときの話もなんだか主人公の街に原爆を落とすことにアメリカ大統領が決めたけど、彼が活躍して街は無事だったっていう話みたいだね。

女:ま、それはさておき、お勧めは。

部:そうだね、一曲目Jubilationは元気があって、なんかファンクな感じもして。っていうか、はっきり言って、スライストーンのエブリデイピープルにそっくりなんだけど。

女:そういわれるとそうね。ま、それはいいわ。後はどうなの。

部:うーんどれもいいんだけど、やっぱり固いというか教科書的なところはぬぐえないよね。でも二曲目のThe country's in the very best of handsは美しいよね。演奏力はすごい高いんだよね。

女:五曲目にもなにやら和風なメロディーが出てくるし。面白いアルバムだわね。

部:ま、黒人ではない人たちが解釈したジャズというのを聞いてみるには面白いアルバムだよね。全員演奏の力があって、特にピアノのアンドレ・プレヴィンはこの後、映画音楽の製作者になるくらいだから理論とかそういうものに通じていたんだろうね。

女:もやもやどろどろしたジャズばっかり聴いている人はそこから離れるには最適ということね。

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ということで遅れを取り戻すべく、今週は二回発行しました。またよろしくお願いします。なるべく水曜日一回発行を目指しています。


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2010年08月10日

ジャズ名盤20(1950-1970)第三回発表ベスト3[Walkin']【元気なマイルスと付きあえるうれしい一枚】

女:ちょっとまたやっちゃったんじゃないの?

部:え!ぎく!?



女:結構間が開いちゃったわよ。今度の言い訳は何?まさかまだ引越しの箱を開けてないの?

部:いや、それが開けたは開けたんだけど、なんだか紹介しようと思っていたCDがあちこちの箱に散らばっていて、まだあけていないのもあって・・・ぶつぶつ

女:はいはい、もういいわ。罰ゲームに今週は水曜日ももう一回書くのよ。そうでないと追いつかないわ。

部:え!そ、そんな。リリースされた年の順番通りに紹介しようと思うとできないんだけど。

女:はいはい、しょうがないわ。じゃあ、後から何か総まとめの別ページでもブログに付けたら。

部:あ!そうだ、そうなんだ、第二回発表の総まとめページもまだ作っていないし。早く取り掛からないと。

女:少し手伝ってあげてもいいわよ。早くブログ本編を進めたらね。

Walkin' Miles Davis Sextet & Quintet. 1954. Prestige.
Walkin
Walkin

部:ところで、今回の第三回発表はもう、マイルスなし、マイルス抜き、いや、マイルスには頼らないでやろうと思っていたんだけど。どうしてもまだ紹介したい彼のアルバムはいっぱいあるんだよね。

女:ま、仕方ないわよね。初期のマイルスとコルトレーンを聞いているだけで充実したジャズ人生が送れちゃうわよ。

部:そうなんだよね。特に今回のオールスターズみたいに元気なマイルスを聞くと、ああもっともっと聞きたいと思うんだよね。

女:確かにミュートを使って中低音域ばかりでさびしげに吹いているマイルスより、こっちのほうがいいわよね。

部:そうなんだよね。一曲目Walkin'なんかもうずっとアルバムこれ一曲でいいよという気もするくらい元気がいいし。

女:そうね、変な話どの曲もすごいジャズらしくて、流しっぱなしにしたいアルバムだわね。

部:ま、そんな中でも一曲目Walkin'と対比をなすゆったりとしたYou don't know what love isは最高だね。マイルスはいつも聞くとがっかりするんだけど、このアルバムにけちをつける人はいないよね。

女:まあ、じゃなんで聞き続けるわけ?ジャズの生き字引だからってこと?

部:うーんそれがめったに出会えない元気なマイルス探しって感じかな。ほらいつもフィーバーしている人より、普段地味な人がフィーバーしたり駄洒落を言ったりしたほうがインパクトが強いというか。

女:まあ!ジャズはコメディアンや宴会の一発芸じゃないんだから!

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*ということでずっと遅れ気味で申し訳ありません。なんとか復調したいと思います。


なるべく年代順に並べていきたいと思いますがずれてしまうこともあるのでお許しください。もうずいぶんずれまくってますが・・・


posted by ロック小僧 at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月22日

ジャズ名盤20(1950-1970)第三回発表ベスト2[El hombre]【野太いラテンとブルースが聴ける一枚】

女:なんだかせっかくブログ再開したのに、先週飛ばしたような気がするのよね。

部:それが本当に申し訳ないんだけど、先週引越しをして、なかなかインターネットの環境が整わなくて・・・光を導入するのに一週間以上かかって、やっぱり会社から書き込みするのはよくないなと思ってぶつぶつ・・・



女:だったら私に言ってくれれば書いたのに。どうして言わないわけ?

部:いやそれが今回の第三回発表は前回と違って二人でこうやって会話したのを書くのがいいかなと思っているわけでぶつぶつ・・・

女:まあ、しょうがないわ。早く読者の皆様にごめんなさいしたほうが良いわよ。

部:読者の皆様申し訳ありませんでした。お許しください。


El hombre. Pat Martino. 1967(1991). Ojc.


エル・オンブレ+1
エル・オンブレ+1
*アマゾンで見つかるのがこちらのユニバーサル・ミュージックなので、こちらを紹介します。

女:で、部長の美学としては、年代の古いほうから新しいほうへと発表していくはずなのに、どうして急に1967年なわけ?

部:それがダンボールを開ける作業がまだ済んでなくてCDが埋もれていてぶつぶつ・・・パソコンに取り込んでおいたのがこれしかなくて・・・

女:まーたく言い訳ばっかりね。しかたがないわ。で、パット・マルティーノの何がいいの?

部:これが曲がいいのもさることながら、なんと言うか総合的戦力が高いんだな。ギタリストとして。

女:総合的戦力って、バッキングもよし、ソロもよしってこと?

部:うーんちょっと違うんだけど、速弾きのときの移動の幅が広いとか、なんかネック全体を駆け回るとか、ピッキングのメリハリがあるとか。特にピッキングの強弱に気をつけた人はジャズギターではあんまりいないような気がするけど、彼はその辺がうまいよね。

女:うーん、本当だわね。あと曲自体がすごいメリハリがあるわよね。後ろのオルガンがそれを盛り上げてると思うけど、ウェス・モンゴメリーとはまた違う力強さね。

部:そうだね。曲のテーマ部も覚えやすいし、なんというか、もしスイングじゃなかったらちょっとロックのインスト風というか。この人自体は一度有望なギタリストとして活躍を始めた後、脳梗塞か何かで倒れて、そのあとまた不屈の闘志でギターに取り組んでアルバムを出し続けた人らしいんだけど。その辺の意地が太い音になって出てるのかな。

女:確かにそうね、ラテン風味に味付けしてるけど野太い骨太な曲が多いわよね。

部:たまたま私のパソコンでは、名前がパットだから、この後にパットメセニーのソーラーが入っているんだけど、比べるとメセニーは本当に線が細いね。

女:で、どの曲がお勧めなの?

部:なんだかスパイ映画のテーマみたいな三曲目El hombreは面白いよね。五曲目のOne for Roseなんかも映画音楽風だなあ。

女:そういう風に聴くとどれもこれもなんだかちょっと前衛的なラテン映画音楽風に聞こえてくるわね。

部:ケニーバレルなんかに一番近いけど、もっと太くわかりやすく、ソロ部分は二倍速くしたようなアルバムだね。ちょっとこの太い中音域を前に出したようなアルバム全体の音質がもしかして今風のしゃかしゃかした録音に慣れた人には聴きにくいかも・・・

女:ああ、そんなことはないわ。曲が聴きやすいもの。ギターファンでなくてもラテン、ブルース好きなら楽しめる一枚だわ。

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*ということで一週間飛ばしてしまいました。申し訳ありません。発表の順番とアルバムの発行年もしばらく乱れるかもしれません。お許しください。




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2010年07月08日

ジャズ名盤20(1950-1970)第三回発表ベスト1[Thelonious Monk]【カオス?様式美?聴く人によって分かれる一枚】

部:さああ!復活したぞおおおお!

女:なんだかテンション高いわね。



部:まあ、ずいぶんお休みしていてその間にいっぱい聴いて書きたいことがいっぱいあるからねえ。

女:でも、前チラッと言ってた、もう入門じゃなくて中級編にしようかとか言う話はどうなったの?再開してもそのままのタイトルじゃない。

部:ま、まあ、まだまだ入門編のアルバムで聞いてないものがあるかと思って、謙虚に、遠慮がちにだな。

女:ブログのタイトルを変えることでこれまでの読者が離れていくのを恐れたわけね。

部:え!いやまあ、そのなんだ、タイトル変わったら見つけてもらいにくくなるかと・・・

女:ああーいいのよいいのよ、言い訳は。

Thelonious Monk. Thelonious Monk. 1952-54. Prestige.

Thelonious Monk Trio: Rudy Van Gelder Remasters
Thelonious Monk Trio: Rudy Van Gelder Remasters

女:これを最初の一枚目に選んだのはさすがだわ。ちょっと見直したわ。で、どんなとこが良いわけ?

部:そうだね、覚えやすいメロディーとスルメのように何回も噛める味があるのと、後やっぱり独特の不協和音たっぷりの弾き方かかな。

女:でも、モンクといえばその不協和音というか、聴きにくいピアノが全てといってもいいんじゃないの。まあ、人によるかもしれないけど。

部:そうだね、同じ緻密なピアノという意味ではハンコックもいるけど、あっちはあっちで独特の聴きにくさがあるし。こっちは別に不協和音は不愉快じゃなくて遊びの、子供が楽しくピアノを弾いているような感じで聞けばいいと思うけどなあ〜

女:ちょっと子供のいたずらとは思えないけど、まあ、いいわ。で、どの曲が良いわけ?

部:どれもいいんだけど、一曲目Blue Monkとか三曲目Bemsha Swingとかは定番というかクラシックなわけで、きっとみんなも聴いたことがあるんじゃないかなあ。でもこの二曲はアルバム中では結構飛びぬけて変態だと思う。

女:じゃ、変態じゃないのってあるわけ?

部:四曲目Reflectionsとか七曲目のブルースのBye-Yaとかそんな変態じゃないと思うけど。

女:うーん、これは重病だわ。これが変態に聞こえないなんて。やっぱりプログレとかメタルで育った脳ってこうなっちゃうのかしら。

部:え!まさか、これも変態なの?ただのブルースじゃん。全体にモンクは田舎くさいブルース色が強くてハンコックより好きだなあ。

女:うーん、ま、高度な音楽性は認めるけど、やっぱり変態だわよね〜ま、でも許容範囲が広いって良いわよね。なんでも楽しめるほうが何にも楽しめないより良いですもん。

部:そうそう、なんでも貪欲にこれから聴いていかなきゃ!

------------------
ということで第三回発表のスタートです。

ご存じない方のために人物紹介です。

部=部長。ロック小僧だった過去を正直に認め、遅れてジャズに入門したことを別に恥じてはいないようだ。行きつけのCD屋ではロック部長と呼ばれている。都合が悪いと言い訳をしたり口ごもったりする。今の法務部兼もめごと解決部兼セクハラ担当部を無事勤め上げると役員になれると社長に言われている。

女=女王の教室に出てくる天海似の社員。部長の部下。おねえ言葉を駆使するがローティーンのときから退廃したジャズに浸り、一時期遠ざかっていたものの、部長のひたむきさ(ばかばかしさ?)を垣間見て再びジャズに戻ってきた。過去の経験から車に長時間乗っていることができない。

お=おいちゃん。江戸っ子のCD屋のおやじ。落語のような軽妙な話し方でどうも売れ残っているCDを調子よく何も知らない部長に売りつけているらしい。

部・女:ではよろしくお願いしま〜す!


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2010年05月26日

ジャズ名盤20(1990-2009)第二回発表ベスト特別盤 【【恐怖?感動?】部長はこういう20枚を発表しようとしていた!】

先週、「【恐怖!】実は部長はこういう20枚を紹介しようとしていた」なんて書いちゃったけど、そんな怖いわけではないのよ。

でもまあ、呆れた〜ていう感じはあるわよね。



今日は部長が今回の発表を始める前に作ったリストをみせちゃうわ[どういう経緯かはここを見てね!]。

ま、でも理由なく却下したわけじゃないのよ。これでも私も知らないCDは全部部長から借りて一度聞いたんだから。

でも、ロック好きのみんなに喜ばれなさそうな刺激の薄いものや、似たような人たちはちょっと削除せざるを得なかったわけ。

これでも悩んだのよ。じゃ、オリジナルのリストを見てみる?

Fourplay
Fourplay
これは紹介したわよ。

The Sun Don't Lie
The Sun Don't Lie
これはミスしちゃったわねえ。若き日のケニーギャレットが聞けるわ。それにしても邦題がえらい違うけどいいのかしら。

スーパー・ストリングス
スーパー・ストリングス
あまりディメオラばっかりもねえ…

Inner Galactic Fusion Experience
Inner Galactic Fusion Experience
タイトルはフュージョンだけどジミヘンみたいな感じかしら。

Guitar Trio: Paco de Lucia/John McLaughlin/Al Di Meola
Guitar Trio: Paco de Lucia/John McLaughlin/Al Di Meola
これも紹介したわよ。

シンギング・アウト・ラウド
シンギング・アウト・ラウド
テクはすごいんだけど曲にもっとひねりがあってもいいわね。

Rubia
Rubia
アーミックはいいんだけど、次のがもっと良いと思う。

Isla del Sol
Isla del Sol
これも紹介したわ。

Positive Thinking
Positive Thinking
ジャケットとちょっと違う優しい音よね

Duet
Duet
ちょっとこれもジャケットと違う優しい音よね。

パワーズ・オブ・テン・ライヴ
パワーズ・オブ・テン・ライヴ
うーん、ギターもあまり速いとがしゃがしゃに聞こえる?ブラックマーケットはかわいいけど。

Songs, Stories & Spirituals
Songs, Stories & Spirituals
これは心が落ち着いたわよね。

Come Away with Me
Come Away with Me
なんで急に彼女なのかしら?

Metal
Metal
これは今度取り上げたいわね。ジョン・パティトゥッチとかぶるのが怖くて避けたけど。

Cosmopolitan Life
Cosmopolitan Life
オヤジたちの戦いは良かったわ。

In New York
In New York
これも今度取り上げたいわね。ディア・マイルスをやっちゃったからできなかったけど。

Consequence of Chaos
Consequence of Chaos
だからどうしてそんなにディメオラが好きなの?

Dear Miles
Dear Miles
ジャズらしい一枚ね。紹介したわ。

State of Nature
State of Nature
タッピングってジャズギターにどうなのかしら?

ファイヴ・ピース・バンド・ライヴ
ファイヴ・ピース・バンド・ライヴ
ケニーギャレットはもういいかなと思ったのよ。え?ケニーのバンドじゃないって??

という感じでギターとベースばっかりで後は部長の趣味みたいなものばかりだったんだけど、まあ、何とか修正してバランスが取れた。

部:おいおい、それで今回発表されなかったものはどうなるの?

女:もちろん、第三回発表ですればいいじゃない。今回紹介できなかったものの中にとっても面白いものも多いし。部長はおいしいものは先に食べるタイプ?それとも後に食べるタイプ?

部:う、うーん先に食べたいほうだけど。

女:ま、でもジャズは一生聴いていける音楽だから、そんなに慌てなくてもいいのよ。じっくりしっかり生活の中に取り入れていけば。

部:それもそうだな、あわててCD買い込んで耳が消化不良になっても仕方がない。

部・女:そういうわけで、しばらく休憩をもらって、7月の一週目の水曜日から第三回発表を再会します!またよろしく(ね)!

_______________
*また七月にお会いしましょう!50年代にもう一度さかのぼります。


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2010年05月20日

ジャズ名盤20(1990-2009)第二回発表ベスト20[Only Everything] 【独特のブルース節に応援したくなる一枚】

女王の教室(以下女):早いもので、もう20枚最後に来ちゃったわ。

ロック部長(以下部):うん、そうだね、今回は分担したせいもあるけど、間に休憩とか入れないで一気に来たし。



女:なんだか紹介したCDの年が飛び飛びのような気もするけど、結構充実してたわね。

部:それで、ジャズをもう一度感じてみたいというのはどうだったの。

女:そうね、まあ、そんなすぐ何かが変わるってわけじゃないわ。でもいつまでも変わらないでいるっていうのはあんまりいいことじゃないのが分かったわ。部長こそどうなのよ。80年のロックとブラック・コンテンポラリーでずっと停まってたんでしょ。

部:うーん、そうだね、とりあえず2010年まで音楽をつなげて聴くことができたのは良かったなあ。なんか生きているっていいなあって感じかな。

女:また部長は大げさなんだから。でも分かる気がする。

Only Everything. David Sanborn. 2010. A Universal Music Company.

Only Everything
Only Everything

部:というわけで、最後は何にするか色々迷ったけど、デイヴィッド・サンボーンになった。他にもチックコリアとか最後の大物を出そうかなとも思ったけど。

女:サンボーンは、昔を知っている人にとってはフュージョンのブームの頃のアルバムよね。それで、何でこれに固執するわけ?

部:やっぱり時代は変わったんだなあというのを確認するためだね。僕が中学生高校生の頃の若いスーパースターが重鎮になっていて、かついまだ楽しそうに活動をしているという。

女:うーん、まあそうね。70年代のスターはもうみんな重鎮だわよ。とはいっても確かに年を重ねてからも精力的に活動している人って魅力的だわよね。ドラムのスティーヴ・ガットも部長は思い入れがあるんじゃないの?ほら…

部:そうそう、アルディメオラのアルバムで過激な戦いをアルと展開していたガットもすごいけど、日野皓正のアルバムでシャカシャカ、ハイ・ハットを刻んでいた『デイ・ドリーム』のスティル・ビー・バップが良かったなあ、ガッドも今も現役なんだね。

デイドリーム
デイドリーム

女:なんだか音楽っていいわよね。もちろん売れる売れないはあるかもしれないけど、やりたければいくつになっても体の動く限りやれるんだから。それから、オルガンのジョーイ・デフランチェスコはまだ30代後半だからまだまだ楽しみだけど、でもちょっとやせたほうがいいわね。健康に要注意よ。

部:そうだね、せっかく才能があるのに健康を損ねたらもったいないよね。

女:それで部長はどれが一番好きなの。

部:どれもこれもブルース仕立てで好きだけど、歌が入っている4曲目Let the good time roll がいいな。ジョーイのオルガンソロと、最後のイェヘーイエッヘー!という気合が何かすごい。

女:そうね、二曲目Only everythingなんかはどう、これこそまさにサンボーンの吹き方よ。

部:なんか、でもサックスでぐにょんぐにょんビブラートをかけるのは気持ちが悪い。そういう意味で曲調が似ている最後のBlues in the nightもちょっと気持ち悪い。もっとストレートな7曲目Halleluyah I love her soが最高だなあ。

女:まあ!結局、自分の好きな曲をつまみ食いしているだけね。呆れた。

部:いやいや、そんなことはないよ!いや、そうなのかも。ブルース調の曲なら何でもいけるんだ。

女:あんまりロック小僧から進歩しなかったてとこかしら。仕方ないわね。でも本当にジャンルとか枠とか、あるいは変な自分の生き様っていうと大げさだけど、音楽歴みたいなものにこだわらず、素直に面白いものを聴けるってのはいいことだわ。私も今回やっとこだわりが取れた。いつまでも好きなジャズがコルトレーンじゃおかしいもの。

部:そりゃそうだね。そしていつまでも現役でやっている演奏者が多いって意味ではジャズは一生ミュージシャンと共に自分の成長が楽しめそうな音楽だね。

女:そうね、じゃあ、楽しむことにしますか。

部:じゃとりあえず、また7曲目に戻して…と。

女:あ、こら!同じ曲だけ聴かない!!
______________
[スイングジャーナル誌ランキング:(部)2001年からのアルバムは、スイングジャーナル誌のランキングに該当しません]

[初心者・入門者へのお勧め度:(女)三人がじっくりブルースに気持ちを載せたアルバムよ。ちょっと慣れがいるかもしれないけど、どの曲も傑作。浸れる一枚ね]

部:無事20枚紹介が済んで応援ありがとうございました!

女:来週は「【恐怖】実は部長はこういう20枚を紹介しようとしていた」を番外編で私がお届けしちゃうわ。呆れた!部長ッたらこんな選曲にしようとしていたなんて!

部:その後は、ちょっと休憩をいただいて、また1950年代に戻って発表を続けようと思います。

部・女:またよろしくお願いしま〜す!!


posted by ロック小僧 at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月12日

ジャズ名盤20(1990-2009)第二回発表ベスト19[75] 【ベテランは若者の力でいつまでも輝く一枚】

あ、今日ブログを書いているのはロック小僧のほうです。先週は女王様も私もどうしても仕事から抜けられなくて、発行が遅れました。申し訳ありません。

ということで、このジャズ名盤20(1990-2009)第二回発表も今日を含めて後二回になってしまいました。途中休憩などを入れなかったのであっという間ですね。



もう一度ジャズを見直してみたいという、おねえ言葉の女王様と二人であれこれ紹介していたら本当に早いものです。これが一回り終わったら、また1950年くらいに戻って第三回の発表を続けたいと思います。

それにしても、もうジャズとして押さえておくべき名盤は個人的に名盤と思ったものも含めて相当紹介しました。スイングジャーナル誌ランキングに出てくるものもあらためて数えてみるとかなりカヴァーされています。

そろそろ「ジャズ入門」というタイトルは卒業して「ジャズ中級」とかにして再出発するかもしれません。

人生は何回でも再出発できますし、新しい気持ちで取り組むのはいつでもすがすがしいものです。

75. Joe Zawinul Syndicate. 2009. Heads Up.

75
75

ということで、いわずと知れたウェザー・リポートのジョーザヴィヌルが自分のジョーザヴィヌル・シンジケートと呼んでいるグループで作ったライブ盤ですが、75歳の誕生日を記念して2007年にスイスで行われたライブを録音したものです。

二枚組みになっていて、若いミュージシャンの力を借りて、それも借りているというより、彼らの力を最大限に引き出して躍動感のある少しアフリカっぽい、エスニックぽい力強い曲を連続して披露してくれます。

ウェザー・リポート時代に一緒だったウェインショーターも一曲だけ別の録音で一緒にやっていますが、なんとあのマイルスの「イン・ア・サイレントウェイ」です。あまり元曲と似てないですが。

それで、なんというのか、うらやましいというのか、ウェザーリポートのときも、ジョー・ザヴィヌル自身は他のミュージシャンより年長で、かなり年も離れていたんだろうけど、若いジャコ・パストリアスの才能を最大に引き出して、ベテランのウェインショーターとも一緒にバンドの色を決定付けて、魅力的な仕上がりにしていた。

今回もはっきり言って自分の孫のような年の離れた若手とがんがんに渡り合って見事に全員がバンドとして融合しているんだなあ。

これがジョーの凄いところだよ、本当に。

ジャコももうちょっと自分の才能におぼれないでジョーの下でもっと音楽をじっくり作り出す時間を持てば良かったのになあ。

きっとジョーも苦悩したろうなあ、才能ある若い人の持て余す力をどう方向付けてあげるのか。もしウェザーリポートがもっと長続きするとか、コンスタントにいい意味でメンバーが入れ替わっていくようなバンドになっていたら、マイルスのような後進の指導所のようなところになっていたのかも。

一代でその音楽がぱあっと終わって後継者がいないプレイヤーが多くて残念だけど、その人を中心にどんどん若い人が育っていく。それって、ジャズだけじゃなくて今後の日本のいろんなところで必要となっていくことかもしれない。うん。

曲は一曲目Oriental Expressはスピード感にあふれ、ちょっとジプシー風の旋律がロックファンとしては嬉しい。三曲目四曲目はちょっとウェザーリポートのようなちょっとかわいい感じのカリブのお祭りのようなメロディーライン雰囲気で楽しい。二枚目はもうジョーの75歳の誕生日の曲で一緒にお祝いしたくなる。

フュージョンが青春の大事な一場面で流れていた音楽だった。そんな人は多い。

車でデート中にカーステで聞いたり、レストランでBGMでかかっていたり、ビーチの誰かのラジカセから流れていたり。そんな私たちを支えたジョーが最後に残してくれたアルバム。二枚組みの勢いに乗って最後まで聞いて欲しい。

___________
*[スイングジャーナル誌ランキング:2001年からのアルバムは、スイングジャーナル誌のランキングに該当しません]

[初心者・入門者へのお勧め度:スピード感はすごいのだけれど、ちょっと似たような調子のところはあるかもしれない。でも最後にジョーが残してくれた作品だから楽しもう]

来週最後の一枚は…



posted by ロック小僧 at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年05月09日

ジャズ名盤20(1990-2009)第二回発表ベスト18[Manhattan Reverie] 【脂が乗り切ったベテランの郷愁を誘う一枚】

今週はブログを書くのが遅れちゃってごめんなさい!

え?



連休で遊んでたわけじゃないのよ。あたしは一日早く出社して、連休中に遅れていたことをやってたの。そうしたらいつまでも溜まった仕事に終わりがないじゃない?まったくもう、みんなのんきに海外なんか行っちゃって!

なんて全然お詫びになってないわ。ほんとうにごめんなさい。

Manhattan Reverie. [マンハッタンの幻想] Richie Beirach Trio. 2006. Venus Records.


マンハッタンの幻想
マンハッタンの幻想


でいきなり本題のリッチー・バイラーク・トリオなんだけど、これがすごいのよ。最初聞いたときは、あれ、ライブなの?って思うほどエネルギーがはちきれてるんだから。

リッチー・バイラークってあれよね、結構70年代からやっているから知っている人は知っているんだけど、評価が分かれる人で、知的だけどこだわりすぎ、難しいみたいに思われるところもあったようね。

でもこのアルバムはすごい、力強いストレートな情熱の塊。これ日本盤だから中ジャケットを読んでみると、何でも2000年ぐらいからドイツのライプチヒの大学教授をしているらしいわ。それでもともとニューヨークで育った彼が故郷に対して持っている思い、街の躍動感とか、街への郷愁とかをこめて作ったアルバムなんだって。

何かそれ分かる。

一緒にやっているベースのジョージ・ムラーツもドラムのビリー・ハートもすごいベテランよね。このとき二人とも60歳に行っていると思うんだけど、まるで30代前半のようなすごいエネルギッシュな演奏なのよ。あんまりにもエネルギーがすごいから、全10曲中何と7曲も練習セッションで録ったものをそのまま使ってるんだって!

どの曲もすごいいいんだけど、スタンダードが多いからついつい自分の知っている演奏者と聞き比べてしまうかもしれないけど、圧倒的なパワーに押し倒されるわよ。一曲目ユー・ドント・ノー・ホワット・ラブ・イズなんかついていけないくらい速いんだからね!

二曲目オン・グリーン・ドルフィン・ストリート、7曲目ステラ・バイ・スターライトも独特の力強さでみんなが知っている他の演奏者と聞き比べたら目が丸くなるんじゃないかしら。ちょっとピアノの音が太いというかここまで強いタッチの人は滅多にいないと思う。

でも一番すごいのは静かな曲かも。静かな曲でもなんかがちっと弾くのよこの人。ジョージ・ムラーツがベースを弓で弾く五曲目エチュード、そしてアルバムのタイトルにもなっている4曲目「マンハッタンの幻想」。なんか故郷をはなれて感じる独特の、本当の現実ではそうじゃないのかもしれないけど、自分の心の中にだけある故郷。誰にも直接見せてはあげられないけど、何とかして伝えたい。

そんな強い思いのにじみ出ている静かな曲が一押しね。


[スイングジャーナル誌ランキング:2001年からのアルバムは、スイングジャーナル誌のランキングに該当しないのよ。でももし2001年からのランキングがあれば彼はきっと入るわよね]

[初心者・入門者へのお勧め度:すごい力強いからもしかして、ちょっと耳が疲れるかもしれないけど、そんなときは曲順を変えて聞くとかすればいいのかもね!]



posted by ロック小僧 at 22:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月28日

ジャズ名盤20(1990-2009)第二回発表ベスト17[Dear Miles,] 【ロンのジャズ人生がびっしりつまった一枚】

ジャズの世界では残念ながら長生きしているスーパーヒーローが少ない。麻薬やら何やらで体を壊し、愛人やらなにやらとの刃傷沙汰に巻き込まれたりして、せっかくの才能が若くして失われていった。

なぜか破壊や暴力を売り物にするロックミュージシャンよりも、ジャズミュージシャンのほうが自分を破壊することが上手だ。



天国でジャムセッションにいそしんでいると思いたいところだが、波乱万丈の人生を送ったのだから穏やかに眠っていてくださいという気持ちもある。

そんな中で60年代から元気にずっと活躍している大御所の皆さんにはこれからもどんどん若手をびしびし鍛えつつまだまだ良いアルバムを出していって欲しいと思う。

Dear Miles, Ron Carter. Blue Note. 2006.

Dear Miles
Dear Miles

ということで、ロンカーターなんだけど、ついつい何かジャズアルバムを買うとくるっと裏返してベースは誰なの、ロン・カーター?と探してしまう。70年代のCTIレコードなんかだとかなり高確率で彼なところがうれしい。

それはさておき、Gone, Seven Steps to Heaven, Stella by Starlight, My Funny Valentine, Bye Bye Blackbird, Someday My Prince will Comeと次々とマイルスの曲がくれば、おお!これはすごいぜひ聞いてみよう!となるに違いない。

でもちょっと待った!

実はこのアルバムはロンカーターが言っているように、ああ、マイルスのトリビュートね、と思われないように、ロンカーターが何年もかけて手塩をかけて育ててきたロンカーター自身のバンドの曲として演奏されている。

だから、うん、あれ?オリジナルではここで盛り上がるはずなのに?とか、あれ、こんなところで加速したっけ?とかマイルスのオリジナルを新しい録音で聞くようなつもりで聞くと相当痛い目にあう。

これは完全にロンカーターが何十年もかけてジャズを弾き続けて体の奥から自分を表現しきっているもの。楽器編成も長年ロンカーターと一緒にやってきた仲間たち。トランペットがいないけど気にしない、気にしない。パーカッションも面白い。

そういう意味では、マイルスと関係のない8曲目As Time Goes Byが妙に気になる。ロンカーターいわく、マイルスの持つ元となる曲を探し出してくる特異な能力を称えてこの曲をロンが選んだということだが、確かに映画「カサブランカ」のテーマのこの曲、マイルスがやっていたら面白かったのかも。

そういうわけで、ただのトリビュートにあえてしないようにした一枚。マイルスの盤のほうとあえて聞き比べてみよう!とかしないでじっくり聞いてもらいたい一枚。

そんな感じなんだな。

*もしよろしければ右上のブログ村ランキングをプチポチ押して応援ください。

**それにしてもあと三枚で今回の第二回発表も終わりかあ、もう完全現代に追いついたんだもんね。女王様が結構書いてくれているせいもあるけど、早かったなあ。

[スイングジャーナル誌ランキング:2001年からのアルバムは、スイングジャーナル誌のランキングに該当しません]

[初心者・入門者へのお勧め度:マイルスとは関係のない別のバンドだと思って聞くのが正しいでしょう。ちょっとモダンジャズの頃にはなかったパーカッションが自然に演奏に溶け込んでいるのがユニークといえばユニークですね]


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2010年04月21日

ジャズ名盤20(1990-2009)第二回発表ベスト16[Beyond the Wall] 【サックスの極限に挑戦する一枚】

情熱、そうね、情熱よ。大きい小さいの違いはあるかもしれないけど、誰でも情熱を秘めているはず。

あとはそれをぶわーーーと出すか、自分で押さえてみせるか。押さえている人はクールに見せてるのかもしれないけど。それじゃだめなのよ。



やっぱりぶわーーーーと出している人のほうに惹かれるものだわ。だって、やっぱりその人と一緒にいて、何かを一緒に成し遂げている!って気持ちになれるのが大事だもの。

お祭りが終わったら、それはそれでまた休憩して、またぶわーーーと行くのがいいんじゃないのかな。

Beyond the Wall. Kenny Garret.2006. Nonesuch Records.

Beyond the Wall
Beyond the Wall

ということで、同じサックスでも以前紹介したブランフォード・マルサリスとはぜんぜん違う[過去記事あるわよ!]アプローチの彼、ケ二ー・ギャレット。なんか永遠の青年みたいなイメージになっているけど、これは2006年のアルバムね。

この間チックコリアと一緒に日本に来た時もこんな感じでさっぱり年を取らないわね。でもこの人デビューはずっと前なのよ、マイルスのアマンドラで吹いてるんじゃなかったかしら。あ!また部長〜〜アマンドラ紹介してないわねー

Amandla
Amandla

それで、このアルバムなんだけど、すごい情熱よ。これだけサックスで力を振り絞って泣き叫んだり悲鳴をあげたりするのは今のスタイルの人でいないんじゃないかしら。どうしてもスムースジャズのせいで上品な楽器みたいに見られがちだからね、最近は。

少しだけクラシック調を感じるところはあるんだけど、どの曲も重くてかっこいいのよ。それからちょっと覚悟して欲しいのは結構長いのよ一曲一曲が。

そんな中でも一番すごいのは6曲目Kiss to the Skiesかな。前半、歌のコーラスが繰り返すテーマをバックに、ゆっくりと、でも軽やかにスタートして、だんだんそれぞれの楽器がソロを取っていって、4:13から出てくるソロ。これ多分、テナーを吹いているファラオ・サンダースよね。彼もすごい大物よね。なんかケニーの情熱に惹かれていろんな大物が集まるのかしら。その後で高い音でがーんとやって来るのがケニーよね。7:00ぐらいからはもう、どこまで行くの?っていう感じの吹きまくり。最後の部分のロックでいう「ドタバタ」(みんなでどたばたやるところね)これ、もう絶叫だわよ、絶叫。なんかチックコリアと来た時もこんな絶叫やってたけど…

他にすごいのは5曲目のクラッシクのようでもあり、何かディズニーの中国関係映画のサントラのようでもあるTsunami Songね。日本風の曲名にしちゃったけど、中国のメロディーで二胡を弾くってどういうこと?ケニーって日本大好きって噂聞いたけど、やっぱり、中国と日本を分けるのは欧米人には難しいか・・・同じゆったりとしたクラシック調でもブランフォードマルサリスとは違って、こっちは次はどうなるの、どうなるの?って気になって寝てなんかいられないわ。

なんかとっても中国映画の上等なサントラという感じ。上海万博でPRソングが実は日本のシンガーソングライターが昔書いた曲って、事件が数日前あったみたいだけど、このTsunami Songでも使ったほうが良かったんじゃないかしら。しかもケニーはぜんぜん吹いていないわよ??

7曲目のNowはとってもジャズらしいし、最後のMay Peace be upon Themはもう一回絶叫が聞けるわよ。

弱よわしいけど華麗に聞こえるように装っている、今風のサックスの音に思いっきり喝を入れる一枚ね。


[スイングジャーナル誌ランキング:2001年からのアルバムは、スイングジャーナル誌のランキングに該当しないわ]

[初心者・入門者へのお勧め度:後期コルトレーンくらい重い最近のサックスプレイヤーっていないのと聞かれたら、真っ先に勧めるわね。でもコルトレーンと一緒で毎日聞くのは大変かも]




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2010年04月14日

ジャズ名盤20(1990-2009)第二回発表ベスト15[Cosmopolitan Life] 【チョイ悪親父二人が真剣に殴りあう一枚】

男が男の魅力を保ち続けるのは難しい。20代のときは精悍だった面構えも結婚してだるんとごろんとした生活を二年もすればあっという間にあごがたるむ。

「幸せなのねー」などと周りが冷やかしてくれるのも最初のうちだけで、その後仕事に打ち込み夜食を食べたり飲み会を重ねるとあっという間におなかがたるむ。



さらにこれはまずいと思いながらも係長や課長になるとデスクワークばかりであっとういう間に体全体の筋肉がたるむ。

いつでも殴り合えるぞという20代の時の自信はどこへやら、気持ちだけはまだあるような気もするが、階段を3階上るのもひーひーはーはー息が切れる状態だ。

Cosmopolitan Life. Al di Meola & Leonid Agutin. 2005. Victor Entertainment.

Cosmopolitan Life [DVD] [Import]
Cosmopolitan Life [DVD] [Import]


そんな感じで大人が真剣勝負で殴り合っているようなこのアルバム。

かっこいいなあ。あこがれるなあ。ラテンの曲調に乗ってボーカルのレオニド・アグティンとギターのアルディメオラが殴り合っている。

このレオニド・アグティン、ラテン系の人かと思ったら大間違いで、なぜかロシア人、しかもこのアルバムは全曲作曲までして英語で歌っているという才人だ。

そういう意味ではコラボレーションをしているアルディメオラがアルバムジャケットで前の方に座っていたりするのはどうなのかなとも思うが、あまりアメリカでは知名度がなかったのだろうからディメオラの後光をちょっと拝借したということで許してあげようか。中ジャケットではアグティンのほうが当然前に出て写っている。

どの曲もキャッチーでこんなかっこいい歌入りアルバムは聴いたことがないぞと言うくらい。

その中でも2曲目Cosmopolitan lifeと三曲目Nobodyは圧巻だ。アグティンの色気のあるチョイ悪親父の軽くしゃがれた声にノックアウトされる。それだけでなく、その歌が盛り上がるところでちょうどよく、本当にとても格好よく割り込んでくるディメオラのソロが見事。Cosmopolitan Lifeの02:55からのソロの入り方はああ、始まるのか、始まるのかああと背筋がぞくぞくする。

ちょっとアーバンラテンな六曲目Smileもかっこいい。とにかく歌声につやと濃厚な息吹があって官能的なのだ。心の奥深くしまった苦しみを吐き出すように歌うミドルテンポの10曲目Shade of your worldもちょっとオルガンと指のスナップでわざとらしいアレンジのような気もするが絶品だ。

何度聞いてもチョイ悪中年親父二人のむんむんした熱気に参って、もう一回聞きたくなる。ディメオラファンとしては速弾きに関してはもっと速く、もっと速く!と言いたくなるところがないわけでもないが、ソロのアルバムではないので仕方がないとして、こんな多彩なバックをこなして意外な一面が見られてうれしい。

できればパートIIをはやく作ってほしいものだ。アグティンのソロは他にも色々出ているのついつい聞いてみたくなる。

[スイングジャーナル誌ランキング:2001年からのアルバムは、スイングジャーナル誌のランキングに該当しません]

[初心者・入門者へのお勧め度:歌盤に飢えている人はぜひぜひ手に入れてください。私が買った盤では最初の二曲DVDもついています。それと五月にディメオラ先生が日本に来る!うーむむ、仕事がなければいけるんだけど]




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2010年04月07日

ジャズ名盤20(1990-2009)第二回発表ベスト14[Eternal] 【安心して身を寄せることができる一枚】

大好きな人と居るってことは、そうねえ、ちょっとどきどきしたり、緊張してしまうところもあるけど、本当に好きな人とだったら、不安なくその人のすぐ傍でぐっすり寝られるってことじゃないかしら。



緊張してしまうってことはまだ警戒しているってことね。自分を任せられないってこと。本当に大好きな人なら私を任せることができる。安心できる。

Eternal.Branford Marsalis. Marsalis Music/Rounder. 2004.

Eternal
Eternal

ということで、ブランフォード・マルサリスのこのアルバムなんだけど、もうすごい安心なのよ。一曲目の少しモロッコ風のゆったりとエキゾチックなThe Ruby and the Peralから最後の7曲目Eternalまでずっと安心して身を任せられる。

え?それってまさか聞いている間に寝てしまうってことじゃないのかって。そんなことないわ。ちゃんと聞いているわよ。ただそうね、一曲目のThe Ruby and the Peralのテーマが終わったぐらいのところから夢か現(うつつ)か分からないような穏やかな気持ちになって、最後のEternalの11分36秒ぐらいのところでぐっと現実に連れ戻される。

そんな感じよ。

え?つまりアルバム一枚聞いている間ずっと寝てしまうってことじゃないかって。そんなことはないわ。このアルバムはスイングジャーナルでディスク大賞を取ったアルバムよ。大賞よ、た・い・しょ・う。

ただ、前に紹介したJohn PatitucciのSongs, Stories & Spritualsもそうなんだけど[過去記事あるわよ]、この時期いろんなジャズメンの間で、ジャズとクラシックとを融合させようとした動きはあったみたいで、うまく行っているといえるかどうかは難しいところね。

ジャズは何かと接木されることで命を吹き返した音楽であることは確かよ。これまで何度もそうだったわ。マイルスが電子楽器と、ハンコックがファンクと、RTFがラテンとクラシックと。フュージョンもスムースジャズもそう。それは多くのジャズメンがやってきたことだわ。

何と接木するかでジャズという音楽の色が変わってそれはそれで面白いんだけど、やっぱりよーく考えないと特にクラシックっぽくする場合はいろいろ弱さとアラが出るわよね。

ジャズバンドはオーケストラと違って音数が少なくて全体が薄いわけだから個々の演奏者がものすごいカリスマだとか、曲がものすごい刺激的だとか、楽器の音色がすごい艶やかだとか、そういう部分がないと結構辛いところがあるわけ。

融合した結果、ジャズらしさも弱まってクラシックのようなところも弱まると気になるのよね。

でも、それがこのアルバムの場合、分かりやすいとか聞きやすいとか、弱く聞こえるところが案外プラスのほうに働いているとは思うから、ま、あまり苛めないで良しとしてあげましょうか。

[スイングジャーナル誌ランキング:2001年からのアルバムは、スイングジャーナル誌のランキングに該当しないわ]

[初心者・入門者へのお勧め度:安心して最初からずっと聞けるという意味では本当にすごいアルバムだわ]

*みんなの応援のおかげで「にほんブログ村」のジャズ・カテゴリーで昨日は25位まで行ったのよ。今日もぽちっと押してね!この間はボタンが下にありすぎてごめん、今日はすぐ横にあるわよ!


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2010年03月31日

ジャズ名盤20(1990-2009)第二回発表ベスト13[Songs, stories & spirituals] 【美しい冬の景色が心に思い出されるクラシック調の一枚】

やっぱり内省よ、内省。反省じゃないわよ。反省っていうのは過去を振り返ることだけど、内省っていうのは今現実のこの瞬間も働くし、将来のことを見通すときだって必要だわ。

若いときは何かうまく行かないと、周りに当り散らしたり、自分をいたずらに傷つけたりするけど、だんだんとそうじゃなくって、自分を深く見つめるようになる。





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2010年03月24日

ジャズ名盤20(1990-2009)第二回発表ベスト12 [Chimeras] 【チックコリアのかもめが好きな人はひょっとして好きかもしれない一枚】

今日の名盤を選ぶにあたってはちょっとしたドラマがあった。今回の名盤発表用の20のアルバムを選考する際にまず私が出したリストが女王様に修正されるという事件があった[過去記事参照]。

しかし修正後もどうも穴が開いてしまったりした年代があったので、それを埋めるべく久しぶりにおっちゃんのCD屋さんに一人で行ってみたのだった。



おっちゃんはちゃきちゃきの下町っ子である。

おっちゃん(以下「お」):お!ロック部長、久しいねえ。

ロック部長(以下、「ロ」):いやーどうも、ちょっと仕事で遠ざかっててすみません。

お:いいんだよいいんだよ、男は忙しいくらいで。で、今日は?

ロ:実はかくかくしかじかで、2002年か3年ぐらいの名盤を探しているんです。

お:うーん、そういうことなら生きのいいのがあるよ!ほら!

ロ:(心の声で)相変わらず、おっちゃんは江戸前寿司とCDの区別がないな・・・

お:どうだい、すごいだろう、ブラック・サバスと区別がつかないこのアルバム。ロック部長なら気に入ること請け合いだよ!

ロ:(心の声で)ブラックサバスって、いったいヘビメタじゃないんだから、なに言っているの・・・うん、ほんとにサバスの『ヘヴン・アンド・ヘル』みたいなジャケットだな・・・

お:ごらんよ、妖精だよ妖精。ニンフって言うの?かっこいいじゃないか、ええ〜

ロ:じゃあ、わかった、これ頂戴。

お:あいよ!名盤一丁!

***********そして後日会社で女王様と

ロ:これおっちゃんに勧められて買ってきたんだけど、ギターの人じゃないからブログのレヴューよろしく。

女王の教室様(以下「女」):げ!なにこれ!ア!この人!?パスよ、パス。

ロ:え、良く知っている人なの?

女:その人、日本にも住んだことがあって、実際に見たことある人も多いわよ。有名人よ。有名人。でもパスよ、パス。一人でやって。まあ、一応っていうかほんっと凄い人だから。

ロ:一応凄いってなんなのそれ。かわいいエルフがジャケットなのに。

女:かわいくないわよ、良くエルフの周りをみなさい、結構、気持ち悪いわよ。

ロ:げ、げげ!?

Chimeras. John Zorn. TZADIK. 2003.

<<アルバム写真なし>>
すみません、アマゾンでお取り扱いできていない品のようです・・・

というわけでジョン・ゾーンです。うーん、困りました。なんといえばいいのか、とんてんかんとんてんかん、あああ、あああ、ちーん、という音が延々と続きます。

クラシックで言えば『禿山の一夜』、ジャズで言えば有名なカモメのジャケットのRTFのあああ、あああ、というあの怖い曲とか、あるいは過去に取り上げたアート・アンサンブル・オブ・シカゴ[過去記事参照]とか。ああ、そうだ、ビートルズの実験音楽みたいな曲が好きな人も気に入ってくれるかもしれません。

代わりにかわいいRTFのアルバム・ジャケットをどうぞ
Return to Forever
Return to Forever

とにかく、クラシックの楽器を使って、またちょっとヴードゥーっぽいようなソプラノのような女性の歌手が、力いっぱい最初っから最後までとんてんかんとんてんかん、あああ、あああ、ちーん、とやっています。

ときどき、ぎゅるるんぎゅるるん、とかヴイーーン、とかどぎゃぎゃぎゃんとか、そういう音もあります。

しかも多分全部譜面にかけるほど緻密にアンサンブルとして成立しています。CDの裏ジャケットに譜面が書いてあるところからして、計算づくでやっているのでしょう。

しかしやっぱり、とんてんかんとんてんかん、あああ、あああ、ちーん、ぎゅるる、ヴイーーンなんです。

どう評価していいのか分かりませんが、音は全体的にジャケットどおりの悪魔的な、ヴードゥー的な怖い感じです。怖いのが苦手な人は絶対無理です。

がくがくします。でも、もの凄い人なんだろうとは思うんですよねえ。これが曲調がこうでなければ、楽器構成がこうでなければ、ひょっとして他のアルバムなら、普通にジャズをやってくれたら、などといろいろな「イフ=IF」が頭をよぎるのですが、音が怖すぎて「畏怖」の念しか生まれてきません。

違うアルバムを聞いたら違うのかも、いややっぱり同じなのかも・・・

怖くてなかなか他のアルバムに手を出そうという気にはなれないのですが、鬼才が作る実験音楽というのはどういうものか分かった気がします。

CD屋さんも、どのコーナーにおいていいのか困ってしまう。アマゾンですら置くべきか困ってしまう。

おいちゃんもこれを一掃できてうれしかったでしょう。

[スイングジャーナル誌ランキング:2001年からのアルバムは、スイングジャーナル誌のランキングに該当しません]

[初心者・入門者へのお勧め度:クラシックが好きな人は聞いてもいい一枚だと思います。実験音楽が好きな人には超お勧めです。しかし、普段から怖くてトイレに夜一人で行けないような方はやめておいてください。日本には縁の深い人のようです]

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posted by ロック小僧 at 22:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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