2010年08月29日

ジャズ名盤20(1950-1970)第三回発表ベスト6[Tal] 【重厚な疾走感に圧倒される一枚】

【女王の教室の独り言】

どうも部長が変だ。私がイタリアから戻ってきて、「ブオンジョルノ!」と明るく挨拶をしても、ああ、お帰りくらいしか言わずそっけない。

先週は予定通りブログを出したようだが、今週は出していないようだ。元気がない。



夏ばてなのかも。お盆の当番で会社に残っていたことに怒っているのかも。まあ、いいわ。部下はいちいちそんなことまで勘ぐっていられないから、いつものように接するだけね。

女:今週はブログがまた遅れているようですよ(少し優し目に)。

部:うん、そうだね、申し訳ない。

女:・・・(何かおかしい、何かあったんだわ。いつもの言い訳がない・・・)

部:そうだ、原稿出来ているから週末時間があったらアップしてくれないか。

女:え、いいけど(これはおかしいわ。前は絶対自分でやると言っていたのに)。まあ、いいわ、じゃあ、もらった原稿を張るわね!

たぶん部長は夏ばてよ、気にしない気にしない。

Tal. Tal Farlow. 1956. Verve.

タル
タル


【ここから部長の原稿】
ということで、これはジャズギターを目指す人なら誰でも聴いてほしい一枚だな。うん、ウェスモンゴメリーでもない、ジョーパスでもない、グラントグリーンでもない。本当にすごい。

なんでもタルは元々塗装屋さんで、40年後半50年前半に積極的に活動したけど、はやばやと隠退してしまって、また元の塗装やさんになってしばらく隠居していたらしい。

それでもチャーリーパーカーのステージを何度も見て彼に影響を受けたり、50年代はチャールス・ミンガスとグループを組んだりして、大物との接触も十分なんだけど。

彼はソロプレイに特徴があって、まるで一本の金管楽器が鳴っているような感じ。この辺はチャーリー・パーカーの迫力をギターで出そうと思ってのプレイなのかもしれない。とはいえ、彼は手が大きく、タコと呼ばれていたそうで、メロディーラインが金管楽器を真似しているというわけではない。ギターのラインでもない。独特だ。

音の迫力として金管楽器のような感じなのだ。

バックのほうもそれにあわせてスリリングで、三曲目のHow about youのピアノソロ、ベースソロなど彼に引っ張られて息を呑むようなプレイになっている。

五曲目Yesterdaysもベースがもくもくと刻んで早いテンポでスリリングだ。全体にバックとの融合がうまくいっていて、一丸になって飛ばす感じでボクシングをやっているような、ロックやっているようなとも言えそう。

最後のBroadwayはそのタイトルから想像できるような明るさがあるけど、リズムの独特のはね方やその後のソロへの突撃などやはりすごい独特。

全体に独特の不思議なジャズっぽくない攻撃的な感じが響き渡り、他のメジャープレイヤーに慣れた耳にとってはとっても斬新に聞こえるかも。

【また女王の独り言】
カタカタカタ・・・ふう、打ち終わったわ。

なんだ、ちゃんと書けているじゃない?

もっと早く出せばいいのに?

やっぱり何か変ね、来週会うときはちょっと部長に何かあったのか聞いてみようかしら?

来週は私が変わって書いてあげたほうがいいかもね?

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というわけで来週は部長に何があったか、聞いてみるわね!




posted by ロック小僧 at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月18日

ジャズ名盤20(1950-1970)第三回発表ベスト5[Time Out]【リズムにこだわった変拍子が満載の一枚】

今年も8月15日が過ぎた。どの政治家が自国を敬わないかが如実に分かってしまう悲しい日だ。

それはさておき、女王様は先週「アリルベデルチ、チャオ!」とか言って、どこかに夏休みにでかけてしまった。今は職場の部屋に誰もいない。もともと「法務部兼セクハラ対策班」という少人数の部署だから、にぎやかというわけでもないが、誰もいないとさすがに静かだ。



何かで読んだが、アメリカのエグゼクティブはせいぜい年に四、五日しか休まないらしい。それに対して部下は年休をがっちり使うだけでなく、病欠まで目いっぱい使うらしい。

日本はそこまでは行っていないようにも思うが、しかし、部屋に私一人しかいないから、気分転換にPCのスピーカーで大きくなるだけ大きい音でこのCDをかけてみる。廊下に漏れなきゃサボってるようには聞こえないだろう。というか今日は社内に誰もいない。

Time Out. The Dave Brubeck Quartet. Columbia. 1959.
Time Out
Time Out

うーん、たぶん好き嫌いが分かれるようにも思うんだけど、あまりリズムにうるさくない人はそのまますーと入っていくようなところがあるなあ。

英語のライナーを読むと、ディジー・ガレスピーとか、チャーリー・パーカーとかマイルスの初期の作品とかやはり、リズム的にはジャズのルーツであった軍のマーチから抜け切れなくて、いちに!いちに!という感じなのらしい。

マックスローチ辺りが三拍子のワルツに取り組んだそうだけど、それでもまだ保守的だったそうだ。

そこにデイヴ・ブルーベックのこのアルバムがさっそうと現れ、リズム革命を起こしたそうな。

そう言われると、一曲目Blue Rondo A La Turkの変拍子で前のめりになって倒れそうになる。気にし始めると気になる。そういう意味では超有名な三曲目Take Fiveは実は五拍子だったというのに今頃気が付いた。Time Outというタイトルもリズムからずれているという意味なのだろう。

この気にしはじめると気になるけど、そうでなければ気にならないというのはメロディーの美しさのなせる業だろう。二曲目Strange Meadow Larkの美しいピアノ、アルトサックスの軽やかなワルツの四曲目Three to Get Readyもいい。

変な話、全曲いい。セロニアスモンクやハーヴィーハンコックも変拍子に挑戦した曲は多いが、デイヴほど軽やかに美しく流していく奴はいない。

ただ、前回のLi'l Abnerと一緒で、白人ミュージシャンの緻密さが見える。ベース以外は白人で固めたユニットだ。この辺がおどろおどろしい混沌とした黒人ジャズとは一線を画している。

とはいえ、これまで紹介しなかったのがおかしいほど文句なしに聞き逃してはいけない一枚。

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以前、香港のスパゲッティハウスというイタリア料理店に入ると壁紙にユーモアたっぷりな会話が張り紙で書かれていましたが、そこにブルーベックの名前が出ていました。ジャズといえばブルーベックという何かの図式があるんでしょうか?

少しブログの見た目を整理しました。ご覧になってみてください。



posted by ロック小僧 at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月11日

ジャズ名盤20(1950-1970)第三回発表ベスト4[Li'l Abner]【ツクール的かちっとした教科書のような一枚】

部:・・・ということで、今週は二回発行しますので遅れていたことをお許しください。

女:なんだか、「ということで」の前の説明が抜けてるわよ。

部:うん、七月からブログが全然更新できなかったことへの反省をこめて・・・

女:で、部屋の整理はついたの?

部:それが7割ってところで・・・でも今日のは予定どおりあらかじめ考えていたものなんだ。

Li'l Abner. Shelly Manne & his Friends. 1957. Contemporary.
Lil Abner
Lil Abner

女:ああーこれは聞きやすいわよね。

部:そうだね、ジャズを作ってみよう!見たいな感じだね。TVゲームで昔RPGツクールってのがあったけど、あんな感じかな。



女:ジャズツクールって感じ?確かに教科書的で人工的だといえばそれでおしまいだけど。

部:これの前のマイフェアレディもブロードウェイでやった音楽のスコアをもとにジャズに編曲しなおして作り上げたんだよね。今回もおんなじ手法でプロードウェイで上演されたものを直しているんだけど。

女:Li'l Abnerってところで何なの?前から気になってたんだけど。

部:こんなアニメのキャラだね。見たことあるようなないような。

女:うーん、そうね、新聞か何かの風刺画だったかも。

部:このブロードウェイで上演されたときの話もなんだか主人公の街に原爆を落とすことにアメリカ大統領が決めたけど、彼が活躍して街は無事だったっていう話みたいだね。

女:ま、それはさておき、お勧めは。

部:そうだね、一曲目Jubilationは元気があって、なんかファンクな感じもして。っていうか、はっきり言って、スライストーンのエブリデイピープルにそっくりなんだけど。

女:そういわれるとそうね。ま、それはいいわ。後はどうなの。

部:うーんどれもいいんだけど、やっぱり固いというか教科書的なところはぬぐえないよね。でも二曲目のThe country's in the very best of handsは美しいよね。演奏力はすごい高いんだよね。

女:五曲目にもなにやら和風なメロディーが出てくるし。面白いアルバムだわね。

部:ま、黒人ではない人たちが解釈したジャズというのを聞いてみるには面白いアルバムだよね。全員演奏の力があって、特にピアノのアンドレ・プレヴィンはこの後、映画音楽の製作者になるくらいだから理論とかそういうものに通じていたんだろうね。

女:もやもやどろどろしたジャズばっかり聴いている人はそこから離れるには最適ということね。

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ということで遅れを取り戻すべく、今週は二回発行しました。またよろしくお願いします。なるべく水曜日一回発行を目指しています。


posted by ロック小僧 at 21:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月10日

ジャズ名盤20(1950-1970)第三回発表ベスト3[Walkin']【元気なマイルスと付きあえるうれしい一枚】

女:ちょっとまたやっちゃったんじゃないの?

部:え!ぎく!?



女:結構間が開いちゃったわよ。今度の言い訳は何?まさかまだ引越しの箱を開けてないの?

部:いや、それが開けたは開けたんだけど、なんだか紹介しようと思っていたCDがあちこちの箱に散らばっていて、まだあけていないのもあって・・・ぶつぶつ

女:はいはい、もういいわ。罰ゲームに今週は水曜日ももう一回書くのよ。そうでないと追いつかないわ。

部:え!そ、そんな。リリースされた年の順番通りに紹介しようと思うとできないんだけど。

女:はいはい、しょうがないわ。じゃあ、後から何か総まとめの別ページでもブログに付けたら。

部:あ!そうだ、そうなんだ、第二回発表の総まとめページもまだ作っていないし。早く取り掛からないと。

女:少し手伝ってあげてもいいわよ。早くブログ本編を進めたらね。

Walkin' Miles Davis Sextet & Quintet. 1954. Prestige.
Walkin
Walkin

部:ところで、今回の第三回発表はもう、マイルスなし、マイルス抜き、いや、マイルスには頼らないでやろうと思っていたんだけど。どうしてもまだ紹介したい彼のアルバムはいっぱいあるんだよね。

女:ま、仕方ないわよね。初期のマイルスとコルトレーンを聞いているだけで充実したジャズ人生が送れちゃうわよ。

部:そうなんだよね。特に今回のオールスターズみたいに元気なマイルスを聞くと、ああもっともっと聞きたいと思うんだよね。

女:確かにミュートを使って中低音域ばかりでさびしげに吹いているマイルスより、こっちのほうがいいわよね。

部:そうなんだよね。一曲目Walkin'なんかもうずっとアルバムこれ一曲でいいよという気もするくらい元気がいいし。

女:そうね、変な話どの曲もすごいジャズらしくて、流しっぱなしにしたいアルバムだわね。

部:ま、そんな中でも一曲目Walkin'と対比をなすゆったりとしたYou don't know what love isは最高だね。マイルスはいつも聞くとがっかりするんだけど、このアルバムにけちをつける人はいないよね。

女:まあ、じゃなんで聞き続けるわけ?ジャズの生き字引だからってこと?

部:うーんそれがめったに出会えない元気なマイルス探しって感じかな。ほらいつもフィーバーしている人より、普段地味な人がフィーバーしたり駄洒落を言ったりしたほうがインパクトが強いというか。

女:まあ!ジャズはコメディアンや宴会の一発芸じゃないんだから!

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*ということでずっと遅れ気味で申し訳ありません。なんとか復調したいと思います。


なるべく年代順に並べていきたいと思いますがずれてしまうこともあるのでお許しください。もうずいぶんずれまくってますが・・・


posted by ロック小僧 at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ジャズ名盤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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