2009年06月28日

ジャズ名盤20(1950-1969)第二回発表ベスト20[Bitches Brew]

の:いやーなんか休載が長かったようですよ。第20位はビッチェズ・ブリューだと予告しておきながらずいぶん経ちましたよ。言い訳を聞いてあげますから、はい、15秒で。

部:それがビッチェズ・ブリューを聞きなおしてから記事を書こうと思っていたんだけど妻がこれが大嫌いで中々聞きなおすチャンスが得られなかったんだ。初めて聞いたときと今とでなんか印象が変わるかなと思っ…

の:ブー。はい、15秒です。そんな言い訳は認められません。

部:いや、だってこれはイン・ア・サイレント・ウェイとともにフュージョンの黎明となった記念すべきアルバムだからがっちり大音量で聞きなおそうかと思って。それにこの間チックコリアとマクラフリンの二人もステージで見たし。なんかしっかり書かないといけないかなと思ったんだ。

の:それでなんかしっかり書けるようになったんですか。

部:うーん、なんかそれがやっぱりただ聞きづらいアルバムで。イン・ア・サイレント・ウェイのほうがまだ少し聞きやすいなあ。

の:ええー!じゃあ、まさか(1950-1969)第二回発表のトリの20位はマイルスじゃないんですか?

部:ううーん、どうしようかな。

の:ええーいもうめんどくさいですう!私がまた発表しちゃいますう!

Bitches Brew. Miles Davis. 1969. Columbia.

Bitches Brew
Bitches Brew

の:というわけでビッチェズブリューです。ていうかつまりあんまりお勧めではないんですね。

部:ううーん、万人にはお勧めじゃないよねえ。今回の第二回発表はメロディーがあって構成がしっかりした基本的な曲をいっぱい聴きましょうという主旨だから。前回のハービー・マンなんかは良かったと思うんだけど、このマイルスはどうかなあ。

の:でも何回も聞いてると脳内麻薬みたいなのどくどく出てきますよ、なんかおんなじ変なリズムと変なメロディーが延々とCD二枚つながっていきますよ。

部:うーん、そうなんだよねえ。そういうのがいい人にはいいのかもしれないんだけど。最初に、ああ気持ち悪いと思ったらもうだめかも。

の:ロックやポップスにもっと変な曲ってありますよ。後半のビートルズとかジミヘンドリックス全般とか、復活したキングクリムゾンとか変なのばっかりじゃないですか。

部:うーん、なんかそういう変さとはまた違う変さなんだよねえ。ルール無用でやっているようにも聞こえるけど実はいかに変に聞こえるかを計算して追求しているようなわざとらしいような。

の:一枚目の一曲目Pharaoh's Danceとか二枚目Spanish Keyとか結構はまりますよ!なんか一回好きになると止められないみたいな。

部:うーん、でもなんかはまるまでのハードルが高いような。

の:なんか部長、今日は男らしくない、うじうじしてますね。えーい、もうじゃあ、好きな人だけ聞くアルバムということで終わりにしていいですか。

部:ま、待て待て。確かにSpanish Keyにその後のリターントゥフォーエヴァーやアルディメオラみたいな展開がちらちらっと出てきたりするから、やっぱりこのアルバムはきっとその後に影響を与えた偉大なアルバムなんだな。それにオリジナルのライナーもがっちり読んだけど、何も理屈は考えないで、マイルスの音楽に浸れ!と書いてある。だから、きっとそれで良いんだ。

の:うーん、確かに音楽は理屈ではない。これまでずいぶんいろんなアルバムを聞いてきましたねえ。連載始まってからもう60枚も聞きましたよ。結構これで入門期は終わりでしょうか。これからは好きなら聞くし、嫌いなら聞かないというスタンスでOKですか。

部:そうだね。きっともうひとり立ちできる。というか好き嫌いがはっきりするほど、自分の中にジャズができてきたんじゃないかな。

の:この後このブログはどうなるんですか。使命を終えちゃうんですか。

部:いやいや、とんでもない。第二回発表の1970−1990編で続いて行くよ。このマイルスのアルバムが発表された年を軸にどうジャズ・フュージョンが展開していくのかをきっちり見ていきたいね。

の:うわー、楽しみですね。でも部長、実はちょっとさびしいお知らせがあるんですよ。今度、寿退社するんですよ。相手はハンサムな高給取りの方ですよ。ですから1970−1990編にもうお付き合いできませんよ。

部:え、えー!そうなの。なんかすごい急だな。うん、少しさびしいけど。おめでとう。相手はジャズ好きなの。

の:私以上にミーハーなジャズ、クリス・ボッティとかダイアナ・クラールとか聞いてるですう。

部:うーんそうか、じゃあ彼にこれまでの古典も立派に聞かせてやって欲しい。これまで本当にありがとう。のだめもどきの未来に幸あれ!

の:ありがとうございますですう!


[スイングジャーナル誌ランキング:27位に入っています。しかし本当に当時のジャズ通はこれを楽しんだのでしょうか…ウーム]

[初心者・入門者へのお勧め度:なかなか癖が強く、のめりこめません。しかし何かのきっかけでメロディー回しとかリズムが好きになるとはまるものなのかもしれません。ジャケットはハービーハンコックの70年代ものにも共通した独特のアフリカアートで目に焼きつきます]
posted by ロック小僧 at 18:55| Comment(0) | TrackBack(0) | マイルス・デイヴィス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月08日

ジャズ名盤20(1950-1969)第二回発表ベスト19[Memphis Underground]

の:ところで1960年代後半のジャズはただ黙ってフュージョンに移行して消滅してしまうんですか。それとも活路を見出すためいろんなことをやり始めるんでしょうか?

部:そうだね、1960年代後半といえばポップスのほうではもうビートルズが過激な音楽をやりつくして1969年にジョンレノンが脱退しちゃうし、同じ1969年には今もなお伝説として残るウッドストックフェスティヴァルでジミヘンが「星条旗よ永遠なれ」を弾いちゃうし、はっきり言って、すべての音楽が変っちゃった年なんだよね。

の:とするとジャズだけ平穏で何も変らないでいるわけにはいかなかったというわけですね。

部:まあ、私は幼稚園児だからよくは覚えてないが、その後中学生くらいになってからウッドストックとか60年最後の年がどれだけ破壊的でかつ創造的な力を持っていたかはいろいろ読んだり聞いたりして分かるようになったな、うん。

の:そうするとジャズにもそれだけ破壊と創造が必要とされたわけですね。

部:それでまあ、マイルスのイン・ア・サイレント・ウェイとか最後の20位に挙げるビッチェズ・ブリューとかそれまでから言えば滅茶苦茶としかいいようの無いすごいジャズが生まれるんだろうねえ。

の:ああー!またランキングを漏らしている!あんまり漏らすとインサイダー取引で捕まえちゃいますよ!

部:しまった、ついうっかり。でも実はこの60年末のものすごいパワーを体現していたのは別にマイルスだけじゃないみたいなんだよ。

Memphis underground. Harbie Mann. Atlantic Recording Corp. 1969.


Memphis Underground
Memphis Underground

部:というわけでハービー・マンのメンフィス・アンダーグラウンドだね。

の:あれれ、曲がすっごいですね、知ってる曲ですよ、ソウルですよ!アレサ・フランクリンのChain of foolsじゃないですか!

部:それにHold on, I am Commingはサム&デイヴの曲だね。

の:ということはソウルとフージョンしたわけですね。何とフュージョンするかで性質って変っちゃいますよねえ。ピッコロとネイル、ピッコロと神様じゃえらい違いがありますからねえ。

の:(むむ?のだめもどきはドラゴンボールはOKなのか、ジョジョは嫌っているようなのに)、ま、まあそうだね。何を言っているかよく分からないけど。

の:どりゃどりゃ、早速聞いてみましょう。うひゃーこれはすごいパワーですね。もうダンスミュージックですね。歌の代わりにフルートが入ったソウルですね。

部:そうだろう、最後のBattel Hymn of the Republicanを除いて、全曲ずんずんずんずず、ずんずんずんずず、と迫ってくる。ライナーでもこの街で生まれたプエルトリコや黒人の若者がパーティーで踊れる音楽をやっているんだ!と本人の弁が書いてある。

の:すっごいですよねえ、それにこの三曲目Hold on, I am Commingのギターはなんですか、これはジミヘンですか??

部:これはラリー・コリエルが弾いていると思うんだけど、ラリーコリエルはその後フュージョンで大活躍する人だよね。この頃からジョン・マクラフリンもはだしで逃げ出すようなすごいのをやっていたんだな。こんなに歪んだファズの音で、バイヴのロイ・エアーズとバトルして滅茶苦茶やってすごい。ジャズでは禁じ手のチョーキングをバリバリ使い完全にロックに行っちゃってる。

の:うーん、なんかすごいパワーは良いんですが、この頃の音楽のがちゃがちゃさや滅茶苦茶さが出てますよ!でもバックのずずずんずずずんで何とか全体が統一されてますが。って、なんで最初っからずっとこのリズムが延々続くんですか。

部:ふふふ、すごいだろう、最後の静かなBattele of Hymn of the Republicを除いてまるで全曲メドレーみたいだ。やっぱりパーティーで踊ることを意識したんじゃないのかな。もうファンクとかソウルとかとの敷居はなくなってるよね。

の:イヤーすごい、全曲聴くのに汗かいちゃいました。で、部長の一番好きな曲はなんですか。

部:最後のBattele of Hymn of the Republicだね。

の:え!がっくし。裏切られました。

部:ディスコではやっぱりスローな曲が一番輝くからね。

の:ってそういう問題じゃないような気が…

[スイングジャーナル誌ランキング:当然のように入っていないのですが、プレイボーイ誌は名盤として選んだんですねえ]

[初心者・入門者へのお勧め度:ソウルや60年末期のがちゃがちゃ大好き!ジミヘンも好き!という人には同様の破壊力が感じられます。最後の曲は癒されます]
posted by ロック小僧 at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ハービー・マン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。