2009年05月31日

ジャズ名盤20(1950-1969)第二回発表ベスト18[Sweet Rain]

の:第二回発表の終わりってフュージョンというかマイルスのイン・ア・サイレント・ウェイが出てくるところまで持っていくわけでしょう?ああいう音楽って突然でてきたんでしょうかあ?

部:電化ということについてはオルガンとかギターとかはもともと電化しているからだけど、ベースとかエレピは結構抵抗があったんじゃないのかな。

の:楽器よりも内容ですよ、内容。マイルスのあの辺の部長が以前の紹介で「深海をアンコウが超高速で泳いでいく音楽」っていった内容ですよ。ああいうのってイン・ア・サイレント・ウェイを支えたメンバーたちがそれ以前からやろうと思っている音だったんですかあ?

部:うーん、なんかいい質問だねと思って今日のお勧め盤を選んでみたんだ。

Sweet Rain. Stan Getz. Verve. 1967.

Sweet Rain
Sweet Rain

部:というわけでスタン・ゲッツです。

の:えー!スタンゲッツは関係ないでしょ!ボッサボッサのノッヴァーノヴァって人じゃないですか。

部:とジョアン・ジルベルトとアントニオ・カルロス・ジョビンとの有名なコラボを普通は連想するんだけど、まずこのサポートしている面子を見てみなさい。

の:うぎょ!な、なんですか、このゴージャズさは。ロンカーターさんにチックコリアさんですよ!マイルスに近い人たちですね!

部:そう、1967年リリースっていうのも気になって買ったんだけどいよいよ電化する二年前だよね。

の:どりゃどりゃ、さっそく聞いてみましょう。うお!ジャズですね!

部:ジャズですよ(笑)。すごいテンポも歯切れもいいそれからちょっと知的で難解な…

の:60年ジャズですよねえ、ハンコックさんにも一脈通じる…

部:そうだね、スピードが急に変化する1曲目Lithaとか5曲目Windowとか緩急自在という感じだね。この二曲はチックコリアが作ったようでああ、なるほどって感じがする。

の:スタンさんもテクニックあるんですねえ。この面子についていけるとは。ほんと知りませんでした。ボッサボッサのノッヴァーノヴァな人だとばっかり。

部:ラテン風の二曲目O Grande Amorとかはやっぱり持ち味が出ているのかな。そもそもこの曲はカルロス・ジョビンの曲のようだし。

の:なんかそういうふうに考えるといろんな要素が混じってますねえ。確かに70年代臭さ、ありますよ!なんかただ未消化な感じもしますが。

部:でもかなりメンバーの持ち味をそれぞれ出し合ってるよね。全員が融合=フュージョンするまで後一歩!て感じかな。

の:チックコリアさんのテクも凄いですけど、スタンさんのやわらくて表情のあるサックスもいいですねえ。ドラムのGrady Tateさんていうんですか。すごいテクニシャンですよ。

部:そうだろう、なんかこれは60年後半のジャズを知る上で結構貴重なアルバムなんじゃないかと思う。完成度が高く、テクもあり、聞きやすいようでもあり難しいようでもある。実はこれもジャズギターの教本でお勧めになっているのを見つけたんだ。

の:へー、ほー。

[スイングジャーナル誌ランキング:スタン・ゲッツは結構入っているのですが、このアルバムはなぜか?]

[初心者・入門者へのお勧め度:60年後半のちょっと気持ち良いような難しいような聞きやすいようなそうでないような。微妙なところです。チックコリアが好きな人は問題なしです]


posted by ロック小僧 at 18:48| Comment(0) | TrackBack(0) | スタン・ゲッツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月29日

ジャズ名盤20(1950-1969)第二回発表ベスト17[Mid Night Blue]

の:さあ、今日は第17位です。もう第二回発表もなんか終わりが近づいてきてますねえ。感極まってえんがちょですねえ。

部:(え!「えんがちょ」ってずいぶん前に聞いたことあるけどなんだっけ。仕方ない、とりあえず冷静な振りだ)。ま、そうだね、ちょっとさびしくなってきた気もする。

の:部長はギター好きなんですから、ギターをどーんと今日は出したほうがいいんじゃないですかあ。これまでチャーリー・バードとウェス・モンゴメリーしか出てないですよ。

部:そ、そう、出してもいいの。出してもいいなら誰にしようかな、彼かな、彼かな、それとも…困っちゃったな。

の:前、ジャズギターってなんだろって思ったとき、ウェスモンゴメリーを最初に買ったっていったじゃないですか。その次に買った人を出したらどうですか?

部:ええ!それでいいの、じゃあ、もうこれで決まりだ。

Midnight Blue. Kenny Barrell. Blue Note. 1967.


Midnight Blue
Midnight Blue

部:というわけでケニーバレルだ。

の:うわー裏の写真がっかっこいい。ちょっとロックンローラー風?

部:なんかこの写真だとそう見えるね。で曲なんだけど、このアルバムはブルース進行の曲が多いからクラプトンとかBBキングが好きな人にはすうっと入ってくるね。でもジャズの弾き方、チョーキングじゃなく指をスライドでぴゅんぴゅんさせるとか、コードとメロディーを混ぜて行くメロディーの作り方とか、凄い参考になるねえ。

の:なんか大人っぽくていいですねえ。夜の街をオープンカーで静かに流していくようなイメージですかあ?

部:うーん、私はブルースだとしかいいようがないけど。ブルース進行で露骨に進むジャズってあまりないんだよね、だからジャズとブルースの接点は一体どの辺にあるのかを知りたければ…

の:なんかごちゃごちゃ小難しいことはいいですよ、部長。もうCDをひっくり返してバックのメンバーを見てみましょう。あ!スタンリー・タレンタインさんがサックスで入っていますね!

部:彼はVera Cruiseっていう有名なラテンジャズの曲がある人だから、そういう人だと思ったら、ケニーとユニゾンで黒っぽいテーマを連発していてこのアルバムでは本当にかっこいいね。

の:部長のお勧めは何ですか。

部:一曲目Chitlins con Carneが凄い有名なようなんだけど、5曲目Wavy Gravyが一番好きだな。これは黒い。黒黒い。それに全アルバムに入っているコンガのRay Barrettoという人なんだけど、いい味を出しているんだなこれが。

の:パーカッションてそういえば50年代のジャズには入ってませんでしたが、70年のフュージョンでは入ってますよねえ。きっとこの辺りから入るようになってきたんでしょうかあ?

部:うん、そうだね、結構60年後半から入ってきているようだね。この辺からジャズはレーゾンデートル、自分たちで存在意義を確認していくようになるんじゃないかな。楽器編成も作曲もこれまでと違ってもっと独創性がなきゃって感じで。

の:え!なきゃあですか。それはのだめもどきの得意技ですよ。もっと独創性がなきゃああ、なきゃあああ!!

部:ケニーは曲も書いているから本当にこのアルバムはほんと独創的だよね。

[スイングジャーナル誌ランキング:入っていません。が私は海外のジャズギター教本に出ていた必聴盤のなかにこのアルバムを見つけて買いました]

[初心者・入門者へのお勧め度:黒っぽい、夜の街をかっこよく10メートルくらいあるシロナガスクジラのようなリムジンに乗って流していく。そんな感じでしょうか?]
posted by ロック小僧 at 20:11| Comment(0) | TrackBack(0) | ケニー・バレル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月25日

ジャズ名盤20(1950-1969)第二回発表ベスト16[Speak No Evil]

の:ところで人間は一体人生の中でいくつぐらいのことをやれるんでしょう?

部:な、なんで急に真剣な話を。

の:いーえ、たとえばたいていの人は仕事を一つ持ってるでしょ。副業もあるかもしれないし、趣味も一つあるでしょ、あといくつぐらいのことに集中できるんでしょ?

部:うーん、まあ集中してやるというときっと三つぐらいじゃないかな(まさかのだめもどきは何か副業を始めたんだろうか)。時間は24時間しかないし、休日と言っても土日しかないし。

の:そうですよねえっていうか一つのことでもう精一杯ですよね。

部:ただ、もっと時間の概念を長くすれば、三つくらいのことをやっているけど、あるときは、Aに集中、Aの成果が出るまでBとCは勉強中、練習中の状態でスタンバイして、Aが収穫できたら次はBに移りAは休耕、Cは勉強中、練習中というようにどんどん移行してぐるぐるやればA,B,C三つのことで成果は出るとは思うけど。

の:うーんでも、一点集中のほうが成果は出やすいですよね。

部:でもそれだと、一つ終わって燃え尽きて次が続かないな。だから一つのことをやっているとき、後二つくらいは背後でゆっくり稼動中みたいにしておくといいと思うけど。

の:うーん確かにありますねえ。じゃあ、もっと長い時間のスパンで人はどれくらい立派なことをできるんでしょうねえ。

部:うーん、ま、それも立派なことかどうかはわからないけど、自分が納得いったっていうことなら結構、6−7年に一回ぐらいあるんじゃないかな。

の:えーそうですかあ?なんか充実した人生ですね。

部:まあ、楽器を少年期にやった経験からだけど、7−5−3の法則と言うのがあると思う。

の:な、なんですか、その「しちごさん」の法則って。

部:どんなことでも三年やるとぎりぎり人前で見せることができるようになって、五年やると安定してその技術でお金が入ってきて、7年たつと人に教えられるようになると思う。

の:うーん、なるほど「7−5−3の法則」ですか!

部:ただ、七年目は結構迷いの年で、人から見るとすごい人に見えるのに、自分では飽きてしまっていたり、次の道を探そうとしたり。本当はそこから更なる道が開けるはずなんだけど。自分の場合は、7年間ギターに夢中だったけど、だんだんシーケンサーの打ち込みにはまってしまった・・・まあ、それを後悔しているわけではないし。音楽で飯食ってるわけじゃないし。でも後三年やればきっと違う道が開けたかなとちょっとは思う。

の:うーん、「7−5−3の法則」、なんか感慨深いものがありますねえ。

Speak No Evil. Wayne Shorter. Blue Note. 1964.


Speak No Evil
Speak No Evil

の:というわけでウェインショーターの登場です。

部:ウェインショーターと言えば、たいていの人はウェザーリポート、そしてブラックマーケットでぱーらーらら〜〜っていうサビのところだけを吹いている人、というイメージがある。

の:確かにそうですよね。ジャコパスさんとザビヌルさんが一生懸命働いて、アイアートさんが叩きまくって。

部:だから彼が60年代に超絶テクニシャンのジャズメンだったのを知って驚いた。

の:特にこのアルバムはすごいですねえ!ロン・カーター、ハービーハンコック、フレディーハバード、すごいメンバーが固めてますね!

部:そうそうそれからこのアルバム中の曲は、彼が全曲書いたんだよね。ジャズメンで曲を書ける人ってほんとなかなかいないんだよ。ウェザーリポートでも(あんまり演奏しないのに)彼が存在感があった理由はこれだと思うな。

の:うーん確かにそうですね。どおれどれ、ちょっと聞いてみましょうか。ちょっとハンコック風のがっちり構造のある知的でゆっくりな曲が多いですねえ。

部:そうだね、この辺のジャズアルバムはアドリブでばーっと勢いよく飛ばしていく50年代と違ってこういうのが格好よかったんだろうね。

の:なんかジャケットが怖いですよ。タイトルも怖いですし。どうして前に写っている女の人は東洋人なんですか。

部:うーん、さあ、東洋人が魔物に見えるのか。タイトルのSpeak No Evilってのは「見ざる聞かざる言わざる」の言わざるのところらしいから、日光東照宮でもジャケットにすれば良かっ・・・でも一曲目もWitch Huntとかなんかすごいタイトルだよね。ライナーを読むと、やっぱり、民話とか伝説が生きている土地や魔女がぼうっと燃やされているイメージを意識して曲を書いたと言ってるし。

の:で、部長の好きな曲はどれですか。

部:ハービーのピアノが物悲しい五曲目Infant Eyesかな。ウェインもこんなに表現力のある人なんだなというのが分かってすばらしいね。

の:うーん、でも、これはむひょひょ借りますねっていう感じではなさそうですよ。ジャケットが怖くてとても女の子一人の部屋には置いておけませんよ。

部:うーん、あっそう、じゃあ、かばんに戻してと(良かった今日はのだめもどきにCD取り上げられなくて)。

[スイングジャーナル誌ランキング:入っていません。過小評価されていたのでしょうか?それとも日本で販売されなかったのか?]

[初心者・入門者へのお勧め度:ハンコックの「処女航海」もリーモーガンの「サイドワインダー」もそうですが、この時期のジャズはちょっと違います。はまると好きになるのかも?]

 
posted by ロック小僧 at 19:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ウェイン・ショーター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月21日

ジャズ名盤20(1950-1969)第二回発表ベスト雑談その3

のだめもどき(以下「の」):部長〜〜連休中は私のいいつけを守って、まじめに連載していて感心していたのに、連休が終わったらブログがお休みになってましたよ〜〜。時差出勤ならぬ、時差連休ですか〜〜?

部長(以下「部」):そ、そうなんだ。なんかちょっと疲れてブログはお休みを。

の:それにあれですよ、あんなにネタバレはだめと言っているのに、もう16位のことをばらしちゃったじゃないですか。16位はWayne ShorterのSpeak No Evilだなんて、ばればれじゃないですか!

部:う!20位まで頭の中で順位を決めたのでつい漏らしてしまった。

の:それに今日はあれですよ、15位まで発表したから実は雑談の日ですよ。16位の発表の日じゃありませんよ。ちゃんと雑談のネタは考えましたか。

部:それは休んでいる間に考えた。(1)ジャズギター最強火の玉列伝、(2)どうしてもついつい買ってしまうアーティスト編、(3)何がジャズを1969年に滅ぼしたか、の三つだ。さあ、どれか一つ選びなさい。

の:うわあ、なんかどれもこれも雑談ってノリじゃないですね。(3)はでも第20位の発表のとき辺りにできるんじゃないですか、第20位ってきっと1969年に発表されたものなんでしょ?

部:む!なかなか鋭い!

の:(1)は絶対部長の趣味が丸出しなだけだから、(2)にしましょうかあ!

部:うーむ、(2)も私の趣味丸出しなんだが…

の:というわけで部長は誰ですか、ついつい買ってしまうアーティストって。そういえば前チェットベイカーと言っていたような気もするけど…

部:そうなんだ、チェットも気がつくとCD棚の中で増殖している一人なんだけど、もっとすごい速度で増殖するのがいるんだ。

の:他に長くやっている人と言えばやっぱりマイルスとかオスカーピーターソンとか時代の変わり目を象徴するような人たちですか?

部:いやいや、それがベースのRon Carterなんだ。

の:彼は今も現役の優しそうなおじいさんですね!60年にはマイルスと一緒にやってて、ネフェルティティとか、ジャケットが顔どアップのアルバムにいっぱい入っていたような…

部:そう、それが気がつくとマイルス以外のあっちこっちのアルバムでも増殖していて。彼を狙って買っているわけでもないのにCDの裏のパーソネルを見るといつも演奏しているんだこれが。ごくごくわずかな例を出すとこんなに彼が弾いている。

Maiden Voyage
Maiden Voyage
Maiden Voyage

Sweet Rain
スウィート・レイン
スウィート・レイン


The Procrastinator

The Procrastinator
The Procrastinator

Prelude

Prelude
Prelude

Concierto
Concierto
Concierto

の:ウーン、すごいですねー。ハービーハンコック、スタンゲッツ、リーモーガン、デオダード、ジムホール、もう本当に誰とでも一緒にやれる方ですねえってちょっと待った!ここにまさか残り5位のネタバレが入っているんじゃ?

部:え!全然そんなことないよ。Preludeからの三枚は1970以降出たアルバムだし

の:ああーそうですね。しかしなんでこんなにロンカーターさんは引っ張りだこなんでしょうね?

部:ま、ロンカーターについて書いているブログやらジャズ評やらはいっぱいあるから読んでみると音程が悪いとかお酒のコマーシャルに出たからとか悪口を書かれているばっかりで…

の:でもそんな人がこれだけたくさんの人に愛されるわけはないですよー!きっと何か他にも訳が…

部:きっとなんでも弾けるからってものあるかもしれないけど、もしかするともっとまじめな理由があるのかも。

の:たとえばどんなですかあ!

部:たとえば、絶対ドラッグをやらないとか。

の:ああージャズメンはそれで身を滅ぼしてますよねえ!

部:たとえば規則正しい生活を送っているとか。

の:うーん、なんかジャズメンが規則正しいってありますですかあ?なんかカーターさんは大学の先生もやってるそうですけど。

部:たとえば譜面が読めるとか・・・

の:げ!まさかジャズメンは譜面が読めない人が多いんですかあ?

部:読めない人が多いようだよ。ロンカーターはどれが優れているのか本人に聞いてみないとわからないけど、しかしオフィシャルHPなんてのを見ると、2000枚のアルバムに彼の演奏は収録されているらしい。きっとさっと譜面をあげるとぱっと弾ける人なんじゃないかな。

の:げえ!すごいですね!

部:2000枚も弾いているわけだから、ジャズのアルバムを一枚取り上げてくるっと裏返すと彼がベースを弾いている可能性は高い。

ロンカーターのオフィシャルホームページ
http://www.roncarter.net/officialSite.html

の:うーん、すごいですねジャズの歴史の重みを感じますね。

部:ほんとにそうだね、まあでも聞くときは肩肘張らず楽曲を素直にきけばいいのかなと。しばらくたってから、あれ、これも実はロンカーターだったのかと気づいても別に悪くないし。

の:確かに、これはだれだれの演奏だああってガチガチに身構えないで聴くジャズもいいですよね。

部:そういう意味ではさりげなくどのアルバムにも潜んでいるかもしれない彼の音をぶつぶつ頭で考えないで楽しむのがいいんだよね。

の:部長のお勧めは何ですかあ。

部:Dear Milesだね、やっぱり。

Dear Miles
Dear Miles

の:うひょひょ、またもらっちゃいま…いえ、借りて行きまあああす!ごっつあんでえええす!

部:(ごっつあんなんて言葉、一体どこで拾ってきたんだ?)

というわけで、次回は第16位の発表です。
ラベル:ロンカーター
posted by ロック小僧 at 19:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ロン・カーター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月04日

ジャズ名盤20(1950-1969)第二回発表ベスト15[The Sidewinder]

今日は連休でまわりに部下ののだめもどきがいない。よって私が一人で好きなように書くわけだが、突然次のグラフを提示することをお許し願いたい。

         メロディーの分かりやすさ
              ↑ 
              I    | III
                  |       
曲の構成楽器の構成の<−−−|−−−−−>曲の構成楽器の構成の
シンプルさ             |        複雑さ  
              II   ↓ IV
         メロディーの分かりにくさ

これはどんな音楽が10年ごとに流行るのかを説明するグラフである。どうも女性の髪の毛が長くなったり短くなったり、ジーンズがスリムになったりパンタロンになったりするのと同様、音楽にもサイクルのような流行廃りがあるようだ。

50年代の音楽はあえて言えばIかIIで、オールディーズなんかは曲の構成はシンプルで、メロディーは覚えやすいかおんなじ様なものの繰り返しで分からないもの、60年代はだんだんIIIかIVのようになり、最初はメロディーが分かりやすくだんだんオーケストラを入れてゴージャスになって、ビートルズ中後期みたいに訳の分からない複雑なものに。70年代はこれはいかん、ということでまたディスコやファンクのような楽曲がシンプルなIの世界に。80年代はこれはまた面白くないということで、サンプリングやらなにやらをごちゃごちゃ入れ、メロディーも結構凝っているIVへ。

90年に入るとアンプラグドが流行し、メロディーも簡単になりすぎて耳に残りにくいIIの世界へ。

2000年からはアメリカのポップカルチャーの力が弱まってしまい、結局はどうなのか分かりにくいが、日本の流行っている曲を聴くとIIIではないだろうか。、

おや、休日出勤をしている私の机に見知らぬ封筒が。がさっ

「部長、私がいない間に書きたい放題書くのはいいですが、ジャズから脱線してはいけませんよ」−のだめもどきより−

は!そうだった。のだめもどきめ、休日前に釘を刺していったな。

ジャズの世界ではというと、40年代はビッグバンドの楽器がどっさり、メロディーのしっかりしたIII,50年代になると音が軽くてメロディーも良く分からないII、そして60年代になるとまたゆり戻しでメロディーをしっかりさせるんだ、どうせならオーケストラとでもやろうかっていうIIIになって、次の70年代フュージョンIになっていくような気がする。

The Sidewinder. Lee Morgan. 1963. Bluenote.

The Sidewinder
The Sidewinder
*私が持っているのはBluenoteの輸入盤です。

ということでリー・モーガンです。彼の演奏はもしかするとコルトレーンのSoultraneで最初に出会った方が多いかもしれませんが、このThe Sidewinderから入った人もきっと多いでしょうね!

私もいきなりこのアルバムから入りました。しびれました。かっこいいです。私はR&Bが大好きです。12小節延々ブルースの進行で進んでもらってぜんぜん退屈しません。しかし50年代のジャズだと意外にそういうのはないんですよねえ。

一曲目のThe sidewinderも痺れますが4曲目のBoy, what a nightもびりびり感電します。アトランティックレーベルあたりの当時の一番おしゃれだったR&Bのアルバムですよ、といってもぜんぜん違和感がないくらい、ブルース魂が爆発しています。

きっとこの頃すごい勢力があったんでしょうねえ、R&Bは。ブルースのコード進行でがっちり固定した所にぎっしり彼の火の玉プレイが聞けます。しかし同じ火の玉トランペットでも他の火の玉トランペッター、たとえばクリフォードブラウンとは違って、リーモーガンの場合は、まるでアルコール度の高いブランデーに火をつけてぼわああと燃え上がらせたような妖艶な音です。

これもバックのR&B色がなせる業だろうか…

それから彼は曲が書けるのもすごいですね。全曲自作です。自作するジャズメンってあんまりいないんですよ。その辺にジャズが60年代でとりあえず一度幕を引いてしまった理由がありそうですね。

60年代に入り、曲がかちっとしてきて、構成が豊かになってくるのを実感できる一枚です。次に登場するウェインショーターのSpeak No Evilもそんな感じの一枚ですね。もちろんショーターも曲を書く人です。

は!しまった。また休日のボケの性で次の人が誰なのかを言ってしまった・・・


[スイングジャーナル誌ランキング:R&Bはやっぱりジャズ通オヤジたち殿には無理だったか…]

[初心者・入門者へのお勧め度:構成がカチッとしたジャズの曲とはどういうものなのか知りたい方にぴったりです。しかし曲が複雑なのは苦手という人もいるかも・・・]
posted by ロック小僧 at 18:54| Comment(0) | TrackBack(0) | リーモーガン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月01日

ジャズ名盤20(1950-1969)第二回発表ベスト14[Hull House]

の:前回言っていた、ライナーを読むと意外なつながりが書いてあったりしてっていうのは例えばどんなのですか〜

部:うーん、それがライナーは情報の宝庫で、例えばその録音がどんな状況でされたかを克明に書いているのもあるし、ミュージシャンの履歴を古い方から省みてその作品がどんな位置づけなのかを書いてくれるのもあるし、別のミュージシャンの変な豆知識みたいなのを書いてくれることも・・・

の:だーからーどんなのがあるんですかってば〜

部:それに時々詩人や当時のジャズ評論家が書いたばりばりの抽象的なわけの分からないのもあったかと思うと・・・

の:あー、なんか話がかみ合ってない!

部:一番分かりやすいのは、今の人がこのミュージシャンはこんな人でしたって現代の目で書いてくれるものだけど、そういうものは読みやすい反面、深みがなくって・・・

の:えーい、いらいらするですー!もう本番に行っちゃいますです!!

Full House. Wes Montgomery. Riverside. 1962.
Full House
Full House


の:というわけでウェス・モンゴメリーのフルハウスを出しましたよ。これの何が面白いんですか。

部:これはリズム隊がなぜか当時のマイルスのものをそっくり借りてきたものなんだ。ウィントン・ケリー、ポール・チェンバース、そしてジミー・コブという前回紹介したSomeday My Prince will Comeのときのマイルスのバックのメンバーだね。

の:えー!本当ですね。マイルスの三文字だけ取り替えてウェスにしたとか、なわけないって、テヘヘ。

部:私も知らなかったんだけど、Somedayのライナーを読んでたら、この三人はその後ウェスと合流したって書いてあって、あれそうだっけと思って、フルハウスのライナーを読んだら面白いことが書いてあった。

の:なんて書いてあるんですか。

部:なんでもマイルスたちが西海岸に演奏に来たとき、ウェスのプロデューサーがこのフルハウスを録音するために、マイルスのバックを借り出すことにしたんだけど、マイルスは機嫌が悪くて、ウィントンケリーが、プロデューサーがお金を出すからそのお金はボス=マイルスにも回すよ、ということを言ったら、やっとマイルスのゴーサインが出たとかで・・・

の:うわー、マイルスって金の亡者ってこと?でもバンドリーダーだから無償で自分のメンバーを貸し出すわけにはいかないですよねー。

部:まあ、面子の問題なのかもしれないけど。でもこの三人はウェスと気が合うみたいで、1965年には4人でSmokin' at the Half Noteというアルバムも作ってる。

の:うわー、部長、結構ウェスモンゴメリー好きみたいですね。

部:最初に聞いたジャズギタリストだからね。

の:それでフルハウスのお勧めは1のFull Houseですよね。なんかちょっとマフィアっぽいというか黒っぽいというか。

部:そうだね、なんか60年代に入ると、ジャズが原点回帰というか黒っぽいというかR&Bぽくなるというか。R&Bは60年代にはガンガン流行るわけだし。ジャズにも影響を逆にしてくるようになるのかな。次回紹介するリー・モーガンのSide Winderなんてすごいブルースだよね。

の:あー!部長、口が滑って次回紹介のアルバム名を言っちゃってる!

部:は!しまった、ちょっと連休ボケだろうか。ま、私はこのフルハウスで一番好きなのは妙に速いテンポの3Blue 'n' Boogieかな。なんかおんなじ早いリズムで延々続いて段々体が麻痺するような。

の:リズム隊の息がぴったりですが、メロディー隊というかウェスとテナーサックスのジョニー・グリフィンの掛け合いも全編かっこいいですねえ。

部:そうだね、サックスとギターでこんなに曲にスリルを加味できるというのは面白いよね。

の:これは聴かなきゃー!なきゃー!!


[スイングジャーナル誌ランキング:堂々15位です。が私はウェスは後期のオーケストラをバックに弾きまくるア・デイ・イン・ザ・ライフなんかの方が好きなんですが・・・]

[初心者・入門者へのお勧め度:メロディー楽器としてギターはどう弾くのか、サックスとの兼ね合いはどうなのか、そんなところが非常にスリリングです]

posted by ロック小僧 at 01:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ウェス・モンゴメリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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